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高市首相ポスターにスプレー被害か、大阪市議が「絶対にやめて」…落書きはどんな罪に?
安倍晋三元首相が銃撃された事件現場の近くに掲示されていた高市早苗・自民党総裁のポスター(2026年1月、奈良市で、弁護士ドットコムニュース撮影)

高市首相ポスターにスプレー被害か、大阪市議が「絶対にやめて」…落書きはどんな罪に?

高市早苗首相が写った自民党のポスターに、スプレーのようなものがかけられる被害があったと嘆くXの投稿が注目を集めている。

大阪市議会議員とみられるアカウントの投稿によると、被害を受けたのは「日本列島を、強く豊かに。」と書かれた自民党の赤色のポスター。高市首相の全身が写っているが、顔の部分がスプレーのようなもので黒く塗りつぶされていたという。

投稿主は、自身のポスターも剥がされる被害に遭ったことを明かし、「被害届を出します。考え方の違いがあれど、危害を加えたり妨害する行為は絶対に辞めて下さい」と書き込んでいる。

今回被害を受けたポスターは、高市氏個人の選挙ポスターではなく、自民党総裁としてのポスターとみられる。

現在、衆議院選挙が実施されている中で、こうした政治や選挙に関するポスターにいたずらしたり、傷つけたりする行為は、法律上どのような罪に問われるのだろうか。刑事事件にくわしい澤井康生弁護士に聞いた。

●刑法の「器物損壊罪」と公選法の「選挙の自由妨害罪」

──今回のように、自民党総裁のポスターに落書きするような行為は、どのような罪に問われる可能性がありますか。

刑法の器物損壊罪(刑法261条)にあたります。罰則は、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金もしくは科料とされています。

ただし、選挙に関するポスターであれば、公職選挙法違反に問われる可能性もあります。

公職選挙法225条には「選挙の自由妨害罪」が規定されています。選挙ポスターを破ったり、落書きするなどの行為は、この同条2号の「文書図画を毀棄し」にあたります。

刑法は一般法、公職選挙法は特別法であるため、原則として特別法が優先されます。したがって、事案によっては、特別法であり、より重い法定刑が定められている公職選挙法の「選挙の自由妨害罪」が成立する可能性があります。

「選挙の自由妨害罪」の罰則は、4年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金とされており、決して軽い罪ではありません。実務上も、警察が選挙妨害として逮捕する事案では、このポスターの毀損行為が少なくありません。

公職選挙法225条:
選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、4年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
1 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
2 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
3 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

澤井 康生
澤井 康生(さわい やすお)弁護士 秋法律事務所
警察官僚出身で警視庁刑事としての経験も有する。ファイナンスMBAを取得し、企業法務、一般民事事件、家事事件、刑事事件などを手がける傍ら東京簡易裁判所の非常勤裁判官、東京税理士会のインハウスロイヤー(非常勤)も歴任、公認不正検査士試験や金融コンプライアンスオフィサー1級試験にも合格、企業不祥事が起きた場合の第三者委員会の経験も豊富、その他各新聞での有識者コメント、テレビ・ラジオ等の出演も多く幅広い分野で活躍。陸上自衛隊予備自衛官(2等陸佐、中佐相当官)の資格も有する。現在、早稲田大学法学研究科博士後期課程在学中(刑事法専攻)。朝日新聞社ウェブサイトtelling「HELP ME 弁護士センセイ」連載。楽天証券ウェブサイト「トウシル」連載。毎月ラジオNIKKEIにもゲスト出演中。新宿区西早稲田の秋法律事務所のパートナー弁護士。代表著書「捜査本部というすごい仕組み」(マイナビ新書)など。

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