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デジタル性暴力、性的同意…子ども守る法律、日本は立ち遅れ、韓国や台湾の事例から課題浮かぶ
東アジアの性犯罪法についての集会(2025年8月28日/弁護士ドットコム撮影)

デジタル性暴力、性的同意…子ども守る法律、日本は立ち遅れ、韓国や台湾の事例から課題浮かぶ

子どもを狙った性暴力が後を絶たない中、被害者を支援する団体や専門家が集まり、現行法の課題について議論する集会が8月28日、東京・永田町の衆院第一議員会館で開かれた。

韓国、台湾、香港の支援団体もオンラインで参加し、それぞれの法制度や取り組みを紹介。公訴時効や性的同意、デジタル性暴力を中心に、国内法改正に向けた論点が浮かび上がった。

●「公訴時効の撤廃」を実現した韓国

集会ではまず、性被害の特殊性が指摘された。被害を相談・告発するまでに時間がかかることや、被害者が若年の場合は被害を認識するまでに時間を要することから、公訴時効撤廃の必要性が強調された。

韓国では、2005年に発覚した障害児童への性的虐待事件や、2008年の女児(当時8歳)への暴行事件を契機に、子どもや障害者に対する性犯罪の公訴時効が撤廃された。

香港では、重大犯罪の公訴時効がないことが、性犯罪の被害者救済に役立っている一方で、長期間経過した事件では有罪認定が難しい実情も報告された。

こうした課題を踏まえて、オーストラリアの制度に注目が集まった。

その制度では、日常的に繰り返される性虐待について、具体的な日時などを特定できなくても、長期間にわたる加害が立証できれば有罪とできるという。

●6歳女児事件をきっかけに変化した台湾

「性的同意」をめぐる議論も大きなテーマとなった。

台湾では2010年、男が6歳女児に性的暴行を加えた事件で、一審が「女児の意思に反しなかった」として減刑(休憩7年10カ月、判決懲役3年2カ月)したことが社会的批判を呼び、 市民の抗議運動が広がったという。

これを機に「No means No」(相手が「嫌だ」と言った時点で性行為を認めない)から「Yes means Yes」の考え方をもとにした法的・社会的理解が進んだとされる。

2021年には最高裁判所が初めて「Yes means Yes」の考えに基づく判決を下し、司法や教育現場にも定着しつつあるという。

日本の現状については、性被害の当事者団体「Spring」共同代表、早乙女祥子さんがこう述べた。

「2023年の刑法改正で『不同意性交等罪』が創設され、同意のない性行為は処罰の対象であるという法的メッセージが初めて明確に打ち出されました」

しかし同時にこう批判した。

「裁判運用では課題が残っており、被害者が抵抗できない状態や明確に『ノー』と言えない状態、あるいは被害者が抵抗していても、加害者が同意があると思っていたと主張すれば無罪となる状況が続いており、加害者の責任を問えない社会構造が被害者を苦しめています」

●子どものデジタル性暴力被害が急増

近年、いずれの国・地域でも急増しているのが、デジタル性暴力だ。

NPO法人「ぱっぷす」理事長の金尻カズナさんによると、デジタル性暴力とは「インターネットやSNSを介しておこなわれる性暴力」のことであり、不同意の性的画像の拡散や、性的画像の強要、詐取なども含まれている。被害が拡散されやすく、長期化・深刻化しやすい点が特徴だ。

とくに「セクストーション」(性的画像を使った脅迫や恐喝)が急増しており、同法人への相談件数は2022年度の131件から、2024年度には1864件まで増えているという。2025年6月の相談では、被害者の35%が18歳未満だった。

金尻さんは、日本ではセクストーション被害者の救済が遅れていると指摘。一方で、韓国や台湾、オーストラリアでは行政や委託NPOが削除命令を代行する支援窓口が整備されていると紹介した。

韓国では、未成年を脅して性的動画を撮影させた「N番部屋事件」などが明るみに出たことで法改正が進み、捜査・処罰が強化されたという。現在も、女性団体がネット事業者の責任強化を求めているそうだ。

韓国の支援団体の代表者は最後に「加害者は刑務所へ。被害者は日常へ」とうったえ、発言を締め括った。

この集会は、一般社団法人「Spring」の主催で開かれた。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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