日本弁護士連合会(日弁連)は6月24日、犯罪捜査における個人識別情報等の取扱いに関する意見書を内閣総理大臣宛に提出したことを発表した(提出は23日付け)。
意見書では、被疑者から収集した指紋・顔写真データが無罪判決後もデータベースに保管され続けている現状を問題視し、収集・抹消手続きの法制化を求めた。
●「極めて屈辱的でプライバシー侵害」と指摘
日弁連は意見書で、指紋や顔写真データについて「唯一無二性、不変性」という特質があり、「本人が全く意識せずしてデータベースに保存されている指掌紋等データとの照合で犯罪との関連性を疑われる可能性がある」と指摘。
データを登録され利用され続けている者にとって「警察にいつまでも犯罪者と疑われる扱いを受けている状態は極めて屈辱的であり、また、プライバシー侵害ともいうべきものである」と批判した。
意見書では、無罪判決が確定した場合や、嫌疑なし・嫌疑不十分で不起訴になった場合は、こうしたデータを直ちに抹消するよう法制化を提言。
この他、有罪判決を受けた場合でも、罰金以上の刑に処せられないまま10年経過後はデータを抹消すること、全国の幹線道路に設置されている自動車ナンバー読取装置(Nシステム)についても、保存目的を盗難車両等の検索に限定することなどを求めている。