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日本では違法のパチスロ機「ベトナムで遊んでみました」動画サイトで話題…帰国したら処罰される?
画像はイメージです。本文とは関係ありません(こてっちゃん / PIXTA)

日本では違法のパチスロ機「ベトナムで遊んでみました」動画サイトで話題…帰国したら処罰される?

ベトナムのパチスロ店で遊技する様子を投稿するYouTube番組が一部で人気を博している。人気の理由は、ギャンブル性が高く日本では違法となっているパチスロ機をはじめ、高レートで遊戯できる様子が観られるからだという。

視聴者からは、「懐かしい」「打ちに行きたい」といったコメントがある一方で、遊技の是非について懸念するコメントもある。

外務省のホームページでは、「ベトナムにおいては、法令に基づきベトナム政府発行の正式なライセンスを受けたカジノを除き、私的賭博行為は禁止されており、違法賭博には非常に厳しい処罰が科せられます」とし、「日本人街などで時に日本人を誘引するパチンコ店や麻雀店を見かけることがありますが、店側が合法であると主張していても、過去に摘発が行われた事例もあります」と注意喚起されている。

日本人がベトナムのパチスロ店で日本で違法とされているパチスロ機で遊んだ場合、日本に帰ってきたら法的に罰せられることはあるのだろうか。刑事事件に詳しい加藤孔明弁護士に聞いた。

●帰国して罰せられる可能性は低いが…「君子危うきに近寄らず」

──海外で賭博行為をした場合でも、国内で賭博罪に問われることはありますか。

前提として、違法なパチスロなどのギャンブルについては、日本国内では賭博罪(刑法185条)に当たり、これに違反した場合には50万円以下の罰金または科料となります。常習的犯行の場合は、常習賭博罪(刑法186条)で3年以下の懲役となります。

海外で賭博行為をした場合については、刑法3条が、日本国民が日本国外において一定の犯罪を行った場合の処罰規定を定めています(たとえば放火や殺人・強盗といった重大犯罪や、贈賄や詐欺など)。

しかし、刑法185条と186条の賭博罪・常習賭博罪については、刑法3条の適用がなく、国外犯処罰規定はありません。そのため、海外で賭博をした場合には、日本国内では賭博罪に問われないといえます。

もっとも、オンラインカジノのような、海外サーバーを利用した賭博行為を日本国内で行った場合や、海外での賭博でもサーバーが日本国内にある場合には、賭博罪として処罰される可能性がありますので注意が必要です。

したがって、日本人がベトナムのパチスロ店で、日本では違法とされているパチスロ機で遊んだとしても、日本に帰国後に賭博罪で罰せられる可能性は低いでしょう(もちろん、ベトナム国内法で違法であれば、処罰リスクはあります)。

──ベトナムのパチスロ機で稼ぎが出た場合、そのお金を日本国内に持ち込んでも問題ないでしょうか。

海外のパチスロ機で大勝ちしたお金を日本国内に持って帰ったとしても、賭博行為自体が国外で完了しているため、処罰の対象にはならないと考えられます(関税などの問題は別論です)。

日本国内で処罰されないからといって、ベトナム国内でライセンスのある正式なカジノ以外でパチンコや麻雀といったギャンブルはしないほうがいいでしょう。「君子危うきに近寄らず」の精神です。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

加藤 孔明
加藤 孔明(かとう こうめい)弁護士 神戸カトウ法律事務所
兵庫県弁護士会。刑事弁護センター副委員長・再審法改正検討部会座長、取調べの可視化立会い実現本部本部長代行、近畿弁護士会連合会刑事弁護委員会副委員長などを務める。刑事事件と交通事故を中心に幅広く全国の事案を対応している。

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