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食べ放題店で「料理を持ち帰る」トンデモ客、タッパーを持参 法的問題は?
(NORi / PIXTA)

食べ放題店で「料理を持ち帰る」トンデモ客、タッパーを持参 法的問題は?

食べたいものが好きなだけ食べられる「食べ放題のビュッフェ」。元を取ろうと張り切っても、すぐにお腹がいっぱいになり悔しい思いをする人も多いのではないでしょうか。

弁護士ドットコムには、ビュッフェ形式の食べ放題店に勤める男性から「食べ放題店での食材・料理の持ち帰りは、犯罪ではないのか?」という相談が寄せられました。

男性によると、お店にビュッフェの食材を持ち帰ろうとする不届き者が現われるとのこと。「お持ち帰りはご遠慮ください」と伝えると、その場では「もうしません」と食材をテーブルに出すものの、後日再びタッパーやビニール袋を持参して持ち帰ろうとしていたそうです。

客席には「食材の持ち帰りはご遠慮ください」との表示をしており、男性は「食べ放題とはいえ、タッパーや袋などを持参した上で食材を持ち帰ることは、犯罪にならないのでしょうか?」と疑問に感じているようです。こうした行為は、法的に問題があるのでしょうか。吉田要介弁護士に聞きました。

●窃盗罪に当たる可能性

食べ放題店での食材・料理は、食べ放題店が定めたルールの範囲内で、自由に食べて良いとされているものと思われます。食べ放題店が定めたルールは、通常、一定の制限時間内に、店内で食べることを前提にしていることが多いでしょう。

そうだとすれば、食べ放題店のルールに持ち帰り自由と定められていない限り、食べ放題店での食材・料理の持ち帰りは、ルール違反であり、食べ放題店が容認していない行為であるため、食材・料理を食べ放題店に無断で盗ったものとして、窃盗罪に当たる可能性があります。

今回のケースでは「食材の持ち帰りはご遠慮ください」の表示がされているので、食べ放題店は食材・料理の持ち帰りを容認していないといえます。そのため、食材・料理を持ち帰ることは、窃盗罪にあたるものと思われます。

プロフィール

吉田 要介
吉田 要介(よしだ ようすけ)弁護士 ときわ綜合法律事務所
千葉県弁護士会所属。日弁連子どもの権利委員会事務局次長、千葉県弁護士会刑事弁護センター委員。法律を「知らないこと」で不利益を被る人を少しでも減らすべく、刑事事件、少年事件、家事事件、一般民事事件等幅広く手がけ、活動している。

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