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ジェンダーギャップ解消へ、議決機関に「女性クオータ制」導入 千葉県弁護士会
千葉県弁護士会のウェブサイトより(https://www.chiba-ben.or.jp/)

ジェンダーギャップ解消へ、議決機関に「女性クオータ制」導入 千葉県弁護士会

千葉県弁護士会は2023年度から、会のルールや会長声明の発出などの重要事項を決める議決機関「常議員会」に、女性クオータ制を導入する。選挙による30人のほかに、女性枠3人を新設し、女性会員が意思決定にかかわる機会を増やす。5月27日の定期総会で承認された。

弁護士会では、日弁連や第二東京弁護士会などで副会長や理事の女性クオータ制が導入されているが、常議員会では全国初だという。

●「女性割合20%以上」目指す

千葉県弁護士会によると、同会の女性会員の割合は18.0%(2021年)。一方、常議員会の女性率は近年10%前後(2~3人)で推移していた。クオータ制を導入することで、会員の構成比と近い女性割合20%以上を目指す。

新設枠の3人は、自薦・他薦による候補者を、会内の複数母体から選ばれた弁護士らで審査するなどして決定する。

制度づくりにかかわった沼倉悠弁護士は、「これまで弁護士会にはジェンダーギャップの意識が少なく、もしかしたら意思決定を歪めていたかもしれない」と導入の意義を語る。

ただし、新しい33人の常議員会で20%以上の女性割合を達成するには最低でも7人が必要。もともと常議員はボランティアの側面も強く、必ずしも立候補者が多いわけでもないという。

小西朱見弁護士は、「反対はなかったが、負担が一部の女性会員に偏らないかという意見はあった。配慮と環境整備をしながら、常議員会のあり方やイメージも変えていきたい」と話す。

女性常議員を増やし、意見しやすい環境をつくることで、女性弁護士がより参加しやすい常議員会にするという好循環をねらう。副会長などの役職での女性増加にもつなげたい考えだ。

新制度は、女性常議員の割合などを踏まえて、2025年度末に改廃を検討するという。

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