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入社2年目の男性社員、寮近くで自死 退職強要やパワハラあったと両親が提訴
会見した両親(手前の2人)

入社2年目の男性社員、寮近くで自死 退職強要やパワハラあったと両親が提訴

入社2年目の男性(当時25)が寮近くの雑木林で自死したことをめぐり、男性の両親が3月22日、会社側に約9700万円を求めて、東京地裁に提訴した。パワハラや退職強要などがあったとしている。

訴状などによると、男性は2014年に容器キャップなどを製造する被告企業に入社。2年目の2015年4月には、昇進した上司からの引き継ぎで仕事が増え、高校時代に患っていた精神疾患(双極性II型障害)が再発した。

1カ月ほど休職して復帰したが、今度は社内で十分な仕事を与えられず、不服を示すと、勤務態度を叱責されるなどしたという。

同年12月1日には、ほかの社員もいる朝礼で、背後から上司の一人に蹴られるという出来事があった。さらに翌2日には複数の上司から懲戒解雇か、諭旨退職かを選択するように迫られたという。

男性は退職届を提出。その後、行方がわからなくなり、12月5日に寮近くの雑木林で自死しているのが発見された。

遺族側は、聴聞や弁明の機会がなかったなどとして、退職強要により強いストレスを受け、精神疾患が悪化、自死にいたったなどと主張している。

会社側に退職を迫った理由などを求めても十分な回答がなく、「真実を突き止めて、息子の無念を晴らしたい」(父親)と提訴を決意した。

なお、遺族側は労災も申請したが認定はされていない。精神疾患での労災の認定基準は、おおむね発症前6カ月の出来事が対象とされており、遺族側は2015年4月に精神疾患を発症した後について十分に判断されていないなどとして、労災認定をめぐっても裁判で争っている。

取材に対し、会社側は「訴状が届いていないので、現段階ではコメントできない」と話した。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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