●前回までのあらすじ
学校でケンカを止めに入った時に、ケガをして顔に傷が残ってしまった息子の悠真。病院から帰ると、ケガをさせた太一くんママから自宅に電話がありました。
太一くんママは「先生から謝罪の電話をした方がいいと言われたから」と全く悪びれる様子もなく、しまいには「怪我くらいで騒がなくたっていいと思いません?」と発言。
「とても謝罪の電話とは思えません!」。「ケンカ両成敗」という言葉もありますが、このような場合、親から親に損害賠償を請求することはできるのでしょうか。
(このコミックエッセイシリーズは、「ウーマンエキサイト」との共同企画です)
前回まではこちら
●(上)破れた服で帰宅した息子にびっくり…これっていじめ?それともおふざけ?
●(中)学校で「一生残る傷」つけられた息子 相手の親は「ケガくらいで騒がなくても」
●保護者の間でも危ないと認識されていた…
息子の顔に一生残ってしまう傷というショックも冷めないうちに、その事に対して怪我させた太一くんのママがあまり重大にとらえていないことも大きな衝撃でした。
夫も息子の悠真のことを心配して急ぎ帰ってきて相談したのですが…。
メッセージは同じクラスで仲良くしているママさんからでした。去年、太一君と同じクラスだったそのママさんからいただいた情報では、以前から太一君の行動は保護者間でも危ないと認識されているにも関わらず、学校がその対応を何もしていなかったという驚くものでした。
小澤弁護士からは、学校での怪我について損害賠償請求について次のように教えてもらいました。
「子どもが学校で怪我をした場合には、怪我をした被害児本人が請求することができます。その上で、被害児の親は、被害児の法定代理人として、請求することになります。
もし加害児が小学生の場合には、責任能力(自己の行為の責任を弁識するに足りる知能)は認められない場合が多いでしょう。その場合、加害児本人に請求することはできませんが、加害児の親に対しては、監督義務者として、請求をすることができます」
小澤弁護士によると、請求できるものは次のものが考えられるそうです。
●ケガの治療費
●ケガによって壊れた物の修理代
●慰謝料
●もし後遺障害が残った場合には後遺障害による逸失利益等
私たちはこれまで学校で起こったことについて、どう関わっていいかわかりませんでした。これからは私たちの生活の中に学校という存在があって、親や地域も含めて関心をもって関わっていければと思っています。
※この漫画は実話をべースにしたフィクションです
脚本・ウーマンエキサイト編集部、イラスト・小夏ゆり