「東芝はまだ闇の中にある」 不正会計の調査報告書、格付け委の3人が「不合格」評価
格付け委員会の國廣正弁護士(左)、久保利英明弁護士(中央)、行方洋一弁護士

「東芝はまだ闇の中にある」 不正会計の調査報告書、格付け委の3人が「不合格」評価

企業不祥事に詳しい弁護士などでつくる「第三者委員会報告書格付け委員会」は11月26日、東芝の不正会計問題に関する調査報告書の格付け結果を公表した。8人の委員のうち、委員長の久保利英明弁護士をはじめ3人が最低評価のFを選択するなど、厳しい評価が目立った。

この委員会は、不祥事を起こした企業が設置する第三者委員会の「調査報告書」を評価して、格付けしている。最高評価はAで、B、C、D、Fの5段階で評価する。「F」は不合格に相当するという。

組織ぐるみの不正会計が大きな問題となった東芝では、第三者委員会(委員長・上田廣一弁護士)が7月20日、調査報告書を公表した。そこでは、東芝の経営トップを含めた組織的な関与があり、見かけ上の利益のかさ上げをする目的で行われたとしていた。この報告書に対して、格付け委員会のメンバーのうち4人がCと評価。1人がD、3人が最低評価のFをつけた。

低評価の理由について、格付け委員会は、調査範囲が東芝からの委嘱事項に限定されていた点を挙げている。また、東芝子会社で米原子力関連企業の「ウェスチングハウス」が資産価値を引き下げる「減損処理」を行い約1600億円の損失を計上していたことや、福島原発事故後の原発事業をめぐる環境の変化について触れていないことも批判している。

●再調査をして、膿を出し切ってほしい

この日、東京・霞が関の弁護士会館では、5人の格付け委員が記者会見をおこなった。

Fをつけた委員長の久保利弁護士は、報告書について「東芝のためだけに作られている」と指摘。株主、投資家、証券市場、ユーザーが視野に入っていないとして、「第三者委員会による報告書とは、とうてい言えない」と断じた。

同じくFをつけた國廣正弁護士は、「厳しいことばかり言っているが、従業員のため、株主のため、東芝製品を使っている人のためだ。不十分な調査結果で信頼を失うようなことはしないでほしい」と語った。

また、今回の格付けの中では最高のCランクをつけた行方洋一弁護士も、次のように語った。

「評価が異なっても、再調査が必要だというのが、格付け委員会の共通の思いだ。今回の調査は、調査の幅が足りないし、深掘りも足りない。まだ東芝は闇の中にある。出発するための底にたどりついていないのが委員会の評価だ。今度こそ、独立性の高い徹底的な調査で、膿(うみ)を完全に出し切って、信頼を取り戻してほしい」

(弁護士ドットコムニュース)

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