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田園調布・資産家殺人事件で「20年服役」の折山敏夫さん、冤罪訴え「再審請求」
折山敏夫さん

田園調布・資産家殺人事件で「20年服役」の折山敏夫さん、冤罪訴え「再審請求」

東京・田園調布の資産家を殺して、財産を乗っ取ったとして、殺人などの罪で懲役20年の有罪判決を受けて服役した折山敏夫さん(74)が7月31日、「冤罪だ」として再審請求を申し立てた。この日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた折山さんは「過去にとらわれて前にすすめない。悔しくて悔しくて仕方がない」と心境を語った。折山さんの再審請求は、今回で2度目となる。

この事件は、東京・田園調布の資産家の男性が1980年7月、知人だった折山さんに殺害されたというものだ。折山さんは事件があったとされる日から約5年経った1985年7月に私文書偽造・公正証書不実記載などの罪で逮捕されて、その後に殺人罪・詐欺罪で起訴された。折山さんは一貫して無罪を主張したが、1審・2審で懲役20年の有罪判決が下され、1995年に最高裁で有罪が確定。2007年に満期出所した。1度目の再審請求は2013年に棄却されている。

今回の再審請求について、弁護団の海渡雄一弁護士は会見で「そもそも殺人事件が存在しなかった」という見解を示した。弁護団は、(1)資産家の男性の筆跡で殺害された日以降の日付が書かれた封筒が残っているなど、男性が生きていた証拠が見つかったこと、(2)資産家のものとされた身元不明の遺体の歯型レントゲン写真が公判中にすり替えられた可能性があることーーなどを新証拠としている。

逮捕当時の状況について、折山さんは「本来は、誰かに監視してもらうのがよかった」と振り返った。折山さんが逮捕されたのは1985年7月で、翌8月、日航機の御巣鷹山墜落事件が起きた。さらにその後、ロス疑惑が大きく世間を騒がせた。折山さんは「私の事件(の捜査)を監視する体制がまったく消えた。大きいニュースのかげで監視されず、検察が暴走した」と述べた。

(弁護士ドットコムニュース)

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