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「この人を許せません」中学生で妊娠させられた長女の悲痛な訴え、「作り話」と否認した義父に懲役11年の実刑判決
東京地裁の入る建物(渋井哲也撮影)

「この人を許せません」中学生で妊娠させられた長女の悲痛な訴え、「作り話」と否認した義父に懲役11年の実刑判決

妻の連れ子である姉妹2人に性的虐待を加えたとして、監護者性交等などの罪に問われた男性に対し、東京地裁は1月14日、懲役11年(求刑:懲役14年)の有罪判決を言い渡した。

この日、白髪混じりの短髪に紺の長袖シャツ、ジーンズ姿で入廷した被告人は、これまで起訴内容を一部否認していたが、判決の言い渡しを黙って聞き入った。なお、被害者のプライバシー保護のため、被告人の氏名は公表されていない。(ライター・渋井哲也)

●最大の争点は「被害者の証言の信用性」

判決によると、被告人は2019年から2023年にかけ、当時中高生だった長女に3回にわたり性交等をおこなったほか、次女に対しても膣に指を入れる性交等をおこなったとされる。

被告人は、長女が妊娠に至った2020年の性交については認めていた。しかし、2019年と2023年の長女への加害、2024年の次女に対する一切の行為を否認し、無罪を主張。直接的な証拠が乏しい中、被害者らによる証言の信用性が最大の争点となった。

被告人と被害者が監護・養育の関係性にあることから「監護者性交等罪」が適用された。また、刑法改正をまたぐ期間の犯行であるため、2023年6月以前の行為には「強制性交等罪」、それ以降には「不同意性交等罪」と、計3つの罪名が適用されている。

●長女の妊娠と避妊薬という「物証」

検察側の論告などによると、被告人は妻や長女、次女、他のきょうだいとともに都内で暮らしていた。長女は「拒めば、きょうだいに同じことをする」と脅され、逆らえない状況に追い込まれて被害に遭ったと証言。当時中学生だった長女はその後、妊娠した。

この妊娠時、他のきょうだいは児童相談所に一時保護されており、公的記録との整合性からも、妊娠の事実は否定できないとされた。さらに、家宅捜索では、一部使用済みの避妊薬が発見されており、長女の「(性交を続けるために)父から避妊薬を飲まされていた」という証言を裏付ける物証となった。

●「この人を許すことはできません」長女の悲痛なうったえ

公判では、長女の意見陳述が代読された。

「この人を許すことはできません。幼少期からの行為はトラウマになっていて、最近は眠れず、物忘れや集中できないこともあります。

被告人から実家に手紙が届きますが、開封することができません。強い嫌悪と恐怖があります。これ以上、私に怖い思いをさせないでほしいです」

安全であるべき家庭が、彼女にとって「恐ろしい場所」だったことを物語るものだった。

●12歳の次女が勇気を持って語った詳細

被告人の加害行為は次女にも及んでいた。

2024年、当時12歳だった次女は被害に遭ったとされる。次女は公判で、当時の状況や被告人との位置関係、自身の心情を、言葉に詰まりながらも詳細に証言した。

被告側は、次女が当初、母親に「胸やお尻を触られた」としか伝えていなかった点を捉えて、「不同意わいせつ罪にとどまる」と主張。また、「次女の証言は(捜査当局に)誘導されたもの」や「叱られたことへの復讐による嘘」であると反論した。

しかし、矢野裁判長は、被害申告から1週間後の司法面接で次女がより深刻な被害を明かしたことについて「母親に打ち明けること自体、相当の羞恥心を伴う」として、当初一部を伏せたことが証言を否定する理由にはならないと判断。叱られた腹いせで具体的かつ迫真性のある嘘をつくとは考え難いとして、被告人の反論を退けた。

母親も法廷で「被告人を刑務所に入れてほしい」と強い処罰感情をあらわにした。

●被告人「母親が気づかないのは不自然だ」「避妊薬は母親のものだ」

被告人は公判を通じて「長女は復讐のために嘘をついている可能性がある」「次女についても、叩かれたことへの不満から作り話をしている」と述べ、被害者側に非があるかのような弁解を繰り返した。

弁護側も最終弁論で「母親が気づかないのは不自然だ」「避妊薬は母親のものだ」などと主張した。

被告人は最終陳述で「2人に明るい将来が来ることを願う」と口にしたが、判決は厳しく判断された。矢野裁判長は、被告人の供述は具体性に欠け、物証と整合せず、不自然であると断じ、懲役11年の実刑を言い渡した。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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