借金・債務整理の解決事例
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(会社法人破産 その2)会社を畳むということが怖くて決断できませんでした。シラケる従業員を尻目に金策に走りまわったのがバカみたいです。会社の破産って大変ですが、踏ん切りがつきました。【事務所法人案件】

 男性
この事例の依頼主 男性

相談前の状況 (前回までのあらすじ)

独立して会社を興して15年間、奮闘してきた社長さん。

会社なのでいい時も悪い時もあるのですが、会社がいいときに、おそらく、その状態に社員たちも慣れてしまったのでしょう。

厳しくなってきたときに締められなくなってしまいました。

つまり、会社がよかった時の記憶があるため、それより下の待遇に耐えられなくなってしまったのです。

そういう場合、給与や待遇が下がるのが嫌なのであれば、頑張って、会社の売り上げを伸ばすしか方法がないわけですが、それは、通常以上に知恵を絞って、通常以上に時間と体を使わないといけません。

それも、とても苦しいことです。

そして、社員の人たちは、仕事がきつくなるのも嫌だと。

会社の業績が悪くなっているのに、給与も下げてほしくない、仕事もこれ以上頑張れない、と言われてしまうと、残された方法は2つしかありません。

1つは、そういう社員には辞めて頂く。

もう1つは、会社が赤字でも無理に借金してでも社員の待遇を維持する。

社長さんは、後者を選択しました。

あとは、自然と会社の売り上げが回復するのを祈るのみです。

ですが、自然と会社の売り上げが回復する、などという事はありませんでした。

悲しいことに、経営側の他の取締役でさえ、社員の側につきました。

金融機関からの会社の借り入れは、当然ながら社長の連帯保証を求められます。

社長さんも同様です。

そして、借金は膨れ上がります。

赤字を累積するということはそういうことです。

そして、ついに、借入さえも難しくなってしまいました。

社員たちを路頭に迷わせないために、頑張ったのに、いずれにせよ、会社は立ち行かなくなり、社員たちはむしろ、泥船から逃げ出すべく、退職届を突き付けてきました。

取締役もいなくなりました。

ただ、社長は、社員たちに裏切られた気持ちでなんとか、こいつらに復讐できないかという思いで弁護士に相談に行きました。

しかし、弁護士からは、復讐も何も、この借金だらけの会社をどうするのかと問われました。

会社の倒産処理の話になり、会社の倒産処理にも、私的整理や破産や民事再生があるということを言われました。

破産と言うのは、会社が消えてなくなることだということは知っていました。

破産と言うのは、すべての財産を手放して、その代わりに借金を帳消しにしてもらう手続きであるという事も知っていました。

破産については、誰でもそうですが、その社長自身も、本当に、本当に、最後の手段であるという風に考えていました。

破産をするということは、人生の落後者がするもので、自殺行為に等しいものだ。

ですので、できれば、破産だけはしたくない。

他方、民事再生と言うのは、「再生」とい言葉の響きが、破産に比べると、復活のイメージを有しており、まだしも明るい希望が持てる気がしました。

しかしながら、テレビや報道では、

「○○会社倒産!民事再生申請へ。」

と、破産と同じような扱いで取り上げられています。

「民事再生」という用語は、よく聞くことはあったのですが、実は、その社長は中身を知りませんでした。

「民事再生」というものを申請したら、会社はどうなるのか?どういう会社が民事再生になるのか?

そこで、弁護士に民事再生について具体的にどのようなものかを尋ねました。

解決への流れ 弁護士さんから説明のあった民事再生と言うのは、要するに、債務の返済を免除してもらえれば黒字を生み出せる事業がある場合に、債務の免除を債権者にお願いして、決議してもらう手続きだという事でした。

ですが、もともと、うちの会社は慢性的な人件費赤字の会社で、黒字は生み出せない、と言ったところ、リストラで黒字化できるのであればまだ芽がある、とのことでした。

しかしながら、リストラも何も、そもそも、従業員が全員で結託して辞めるというこの状況下で仕事をやる人がいないし、今から新規で人を雇って育てるなんていうことも現実的には不可能です。

しかも、こんな倒産状態の会社に入ってくれる人がいるとは思えない旨を述べました。

そうしましたら、弁護士さんが言いました。

「よく分かりました。」

「一旦、破産して整理しませんか?」

「社長と話していると、弁護士である私が再生するためには、あれはどうか、これはどうかと提案して、社長は、あれが無理だ、ここが難しい、と言っています。これでは、とても再生なんて無理です。」

「社長も、心の中で、こんな穴だらけの船は、あっちをふさいで、こっちをふさいで、なんてやっていてもどうせ沈むと思ってますね?」

「そうだとすると確かに沈みます。」

「社長がそういうマインドあって、私がそれを無理やり継続させるということはできないんです。」

「再生と言うのは、ある意味、無理に無理を重ねる手続きであって、実際には、弁護士に依頼したから、あとは家で待っていれば、会社が知らぬ間に立てなおって返ってくるなんていうものではないんです。」

「もう、人を使うことが怖くなっているんじゃありませんか?」

とズバリ、嫌なことを言うなと思いましたが、私自身、もう誰か社長を代わってくれよ、と思っていたのです。

こんな自分が嫌になってしまいますが、人から言われると嫌なものです。

ただ、会社の負債の処理がなされないまま、どこかに逃げるということもできず、そうなると、一番、自分が恐れていた、

「破産」

ということになります。

こうして、第三者と話してみると、行きつくところは破産なんだな、というものが分かるものですね。

「先生、会社が破産すると、私や私の家族はどうなりますか?」

と聞いてみると、

「会社が破産するとその連帯保証責任で社長ご自身も破産せざるを得ません。」

「もちろん、ご家族は別に会社や社長の借金とは関係ありませんが、社長名義の財産を処分する関係で、大きな経済的な影響を受けるのは間違いありません。」

「まずは、端的に分かりやすい所で言いますと、ご自宅を手放さざるを得ないことになります。」

「その他、お車も会社名義のリースなので、返却することになります。」

「逆に、お伺いしますが、社長はこれからどうするのですか?」

「仕事のあては何かありますか?」

と聞かれて、

「えっ?仕事をしていいのですか?」

と問い返してしまいました。倒産する会社の社長がどこかで仕事をするなんて許されないようなイメージを持っていました。

「もちろん、だって仕事しないと生きていけないじゃないですか。」

「あてがあるならお願いするし、なくても何か探さないと。」

と言われました。

そこで、私は、恥を忍んで、取引先の社長に泣きついたところ、業務委託という形で仕事をもらえることになりました。しかも最低保証付きです。

後は、破産手続きを進めていくことになりました。

小澤 和彦 弁護士 小澤 和彦 弁護士からのコメント 結局、ご自宅は売却することになり、その過程で、なんとか引っ越し費用を捻出して、社長一家は、借家住まいをすることになりました。

会社については、まずは、数少ない売掛先からの回収金をもとに、破産費用を捻出して、あとは、事務所は申し立て前に解約して、重要書類を除いては、廃棄業者に依頼しました。

こういう風に書くと2,3行ですが、重要書類を箱詰めするだけでも、とても大変な作業です。

また、家賃も滞納しておりますので、大家さんもカンカンですが、このままですと、どんどん滞納家賃が増えるだけなので、一旦、退去はさせてくれと言って、お話をしましたところ、大家側にも弁護士がついて、その弁護士も、当然、会社が破産すると、もっと大家に被害が拡大すると言うのが分かっておりますので、そこは退去はさせてもらいました。

ただし、退去作業をしている最中に、債権者が来ました。

事業会社ですが、売掛金があるというわけではなく、貸付金があるというものです。

「何、夜逃げみたいなことやってんだよ!」

「このオフィス用具とかどうするんだよ!」

「売れば金になるんだろうから、少しは返済できるんだろ!」

などと、かなり、とっぽい感じの債権者です。

その事業会社の社長とその部下が、3,4人ですが、その部下たちも、弁護士から見たところ、普通の堅気の商売には思えない感じのいでたちでした。

社長も怖がってしまって、奥に隠れてしまいました。

その債権者の社長さんとお話をしました。

「窮状を憐れんで貸してやったのに、これは後ろ足で泥をひっかけるようなもんでしょ。」

「この荷物はどうする気なの?」

とこれまたカンカンでしたが、廃棄業者の引き取り兼重要書類の保全である旨を話して、むしろ、このオフィス用品一式、タダで引き取ってくれるのであれば、お渡ししますよ、と述べたところ、

「なんで、金もかえしてもらえないのに、さらに廃棄処分までこっちでやるんだよ!」

と言うことで、

「そうではなくて、まるで、これらが資産価値がある財産であってこれを持っていくのがズルいみたいな言い方をされていたので、それならお譲りします、と言っただけのことなんですが。」

というと、

「こんな売れるか売れないか分からないものを押し付けられて、ハイ、そうですかっていう債権者がいるわけないだろ!」

とさらにお怒りです。

廃棄業者も、茫然と立ち尽くしており、

「あのう、これ、運んでいいんでしょうか?」

と言うので、

「では、これ出しますけど、良いんですね?」

とその債権者の方に言うと、

「何があるのか、チェックさせてもらう。」

と言うので、

「そもそも、こちらでチェックしてますし、廃棄業者も明細をちゃんと出すところを選んでますけど、チェックするなら、してください。」

と言うと、適当にその部下たちが事務所の中やらトラックの中やらを見回しただけでメモすら取ってませんでした。

まあ、これは、オフィス整理の一端に過ぎません。

その他にも、いろんな局面がありましたが、会社の破産については必ず債権者集会というものがあります。

こちらの会社は、規模は中規模ですが、債権者は多くは金融機関です。

ですので、債権者集会にどの程度、債権者が来ると思うか事前に書記官から聞かれて、7,8社は来るのではないかと、思う、と述べましたが、2社しか来ませんでした。

ちょっと、気恥ずかしい感じでしたが、それはそれでよしです。
社長は、その後、取引先の社長の業務委託から今は正社員で仕事してます。

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