借金・債務整理の解決事例

(その2)一時は退職を覚悟しました。ゲーム・アイドルにドはまり人生からの復活。公務員なので自己破産手続きは不可能だと思っていました。【事務所法人案件】

 男性
この事例の依頼主 男性

相談前の状況 (前回までのあらすじ)

公務員で、それまではまじめに生活してきた依頼者の方。
しかし、暇つぶしから、少しずつやり始めたゲームが面白すぎて、ハマってしまい、ゲーム課金にどんどんハマっていきました。

しかも、アイドル関連のゲームをやっていたところ、そのアイドルそのものにも興味を持つようになってしまい、今度は、ライブ、CD、DVD、グッズ購入へと進んでいきます。

給与は安くはありませんが、こんなにゲーム課金、アイドルを追いかけてのライブ遠征、アイドル関連商品の購入を続けていたら、お金が足りなくなります。

そこで、彼は、公務員であることを利用して、低金利の公務員共済組合の貸し付けを受けます。

低金利であることはよいのですが、これがのちに、彼が自己破産を行う際の大きな足かせとなっていきます。

もちろん、借金を作った原因がゲームやアイドル関連だというのですから、これ自身が大きな浪費ですので、これも、自己破産をする場合の「免責不許可事由」と言って、借金の支払い義務を免除しない理由になっております。

ですので、かなり、ハードルが高い自己破産のケースではあります。

ただし、勘違いしている方が多いのですが、公務員は自己破産をすると懲戒解雇事由になる、つまり、退職せざるをえなくなる、と考えている方が多いようですが、そういうことはありません。

たしかに、自己破産することは、胸を張って威張ることではないですが、いずれにせよ、それはあくまでもプライベートに属する事項です。

ただ、問題は、会社に自己破産をしたことを知られるかどうかです。

たしかに、自己破産の手続きが開始されますと、「官報」という国の広報誌のようなものに掲載されるのですが、その「官報」を日々チェックしている人ってまずいません。

弁護士だってそうです。

当事務所も、官報検索サービスにお金を払って加入していますが、一々、ことあるごとに、

「この人は過去に破産した経験はないのか?」

などと検索などしません。

弁護士ですらそうなのですから、通常は、まず官報そのものを継続的にチェックするなんてことはしないのです。

ところが、この依頼者の方の場合には、共済組合から貸し付けを受けております。

つまり、この依頼者の方にとって、共済組合は債権者なのです。

したがって、共済組合にも破産をする際には通知が行くことになります。

いくら、共済組合と勤務先自体が別だとは言っても、共済組合への返済をストップすれば、それまでは、給与から天引きされていたのですから、勤務先にもそのことがばれてしまいます。

バレると、首にならないかもしれないけど、

・上司から怒られる
・同僚から白い目で見られる
・会社内で馬鹿にされる

等々、苦しい状況になるかもしれません。

ただ、普通は、上司の方もそれをあえて言いふらしたりはしませんし、経理・人事・総務の方も、個別に職務上の守秘義務があるわけですから、職務上知った個々の従業員の秘密を漏らしたりしたら、それこそ大問題です。

と、冷静に考えればわかる筈ですが、当の本人はそれどころではありません。

しかし、なんとか励まして、上司に言った方がいいと背中を押したところ、とうとう、上司にそのことを言って謝ることができました。

後は、共済組合に破産の手続きに則った対応をしてもらえればよいだけです。

解決への流れ 弁護士さんからは、

「問題の共済組合のことですが、共済組合も破産の制度を理解してくれまして、結論としては、『返済はしなくても構わない』、『逆に受領していけないものを返済されても困る』、『別にこのことによって解雇したり不利益を与えることはしない』、『そもそも組合は組合で、組合が彼を雇用しているわけではないし、職場に何か指示できるわけではない』、
ということですが油断はならないので、何か動きがおかしいなと思ったら、すぐに弁護士事務所に相談する、と言ってその場で何かを約束したり、サインしたりしないでください。」

と説明を受けて、ホッとするとともに、なんだか、職場で

「あいつは弁護士なんかつけやがって」

とか、

「あいつに何かすると弁護士にチクられるぞ」

とか、陰口を叩かれていないかと不安になりました。

ですが、気を強く持たなければと、自分を鼓舞し、毎日、頑張って出勤するようにしました。

そして、とうとう自己破産を申したてることになり、私は、管財事件と言って、破産管財人という弁護士が私を調査する手続きになりました。

このことは予め、弁護士さんから、管財手続きになるからとは聞いていたのですが、私には市内の見た目40代くらいの男性弁護士さんが、管財人としてつくことになりました。

そして、ある日、破産管財人から呼びだしを受けて、その破産管財人の弁護士事務所に行くことになりました。

これも予め弁護士さんから聞いていたことではありました。

そして、おそらく、こういうことが聞かれると思いますが、何を聞かれるか全部は分からない、とも言われていました。

ですが、予め、事情はすべて破産の申請書に書いてあるから、聞かれたことはそのまま素直に答えてくれればよいですとも言われていました。

ですが、その管財人の方は、端的に言うと、すごい横柄な態度の方で、最も苦手なタイプでした。

「何で、任意整理なんてしたの?」

「何で、弁護士ではなく司法書士になんか頼んだの?」

「ゲームで、何でこんなにお金がかかるわけ?」

「いい大人になって普通ゲームになんかハマる?」

「あなたのせいで債権者の方が損害を受けているっていう自覚ある?」

「私はあなたが本当に反省しているのかを調査しているわけ。」

「どう反省しているの?」

「アイドルにお金を使って借金作るなんて、社会人としてまずいですよね?」

等々、約2時間。


苦痛以外の何物でもありませんでした。

その後、弁護士事務所に管財人事務所での様子をメールと電話で報告しましたが、さすがにその日は眠れませんでした。

私にとって、本当にあの面談は間違いなく、お仕置き部屋でのお仕置きとしか私には思えませんでした。

私は別に頼んでいたわけではないのですが、弁護士の先生が破産管財人に抗議を申し入れてくれたようで、破産管財人から、言いわけ半分、謝罪半分みたいな電話がありました。

「なんか、私の職務上、免責調査をしないわけにはいかないので、ちょっと言い方が冷たく感じる部分があったようですが、その点はすいませんでした。」

「○○さんについては、あとは、毎月、家計簿をつけてもらって今がきちんと生活できているということが分かれば問題ないとは思っていますので、その点、注意して生活してもらえればと思います。」

ということで、面談をした人とは別人かと思えるほど、丁寧な口調で、この時にはさすがに、弁護士さんに頼んでいてよかったと心から思いました。

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小澤 和彦 弁護士 小澤 和彦 弁護士からのコメント 依頼者の方は、端的に言うと、非常に何事も気になる繊細・デリケートな方で、

「大丈夫ですよ。」

とお話ししても、また、すぐに不安がこみあげて仕方がない、という感じでした。

もちろん、公務員という特殊な立場であるからかもしれません。

また、自分が、ゲームやアイドルに金を使っているということに常に後ろめたさを感じていたのでしょう。

だからこそ、何か言われても、ビクッとしてしまうのです。

もちろん、破産管財人の面談は免責調査をするものですので、その反省の態度を確かめるということは必要ですが、犯罪者の取り調べをする警察や検察ではないのですから、行き過ぎた態度はいけません。

多少の嫌味はともかく、本件では、

「アンタさあ」

を連発したそうですでの、これはさすがにやり過ぎだと思って、管財人事務所に連絡をしました。

「面談の際に、『アンタさあ』などという言葉づかいで、人格攻撃をされたと本人は
感じてますけど、そういうことがあったのですか?」

というと、最初は、

「また、そんなに大げさな。」

「先生に大げさに泣きついてるだけでしょ。」

というので、

「そうですか。まあ、言った言わないは、あまりやりたくないですが、実際に、依頼者本人がそのように感じているので、何らかの形では裁判所に報告だけはしておきます。」

と言うと、


「いや、先生。ちょっと、私もこういうざっくばらんなタイプなんで少しきつく聞こえたかもしれないですけど、私は、二度とこういうことを繰り返してほしくないから、つい熱が入っただけですよ。」

と言うので、

「そうですか。先生のそのお気持ちがどうも本人に伝わりにくかったみたいなので、もし、よろしければ補足しておいて頂ければと思います。」

と電話を終えた後に、管財人が依頼者の方に連絡したようです。

管財人は免責を許可する、許可しないの意見を言う権限がありますので、時々、この権限を振りかざして勘違いしている弁護士がいます。

ですが、度を越えた人格攻撃は看過できませんし、後日、他の被害者が出てもいけませんので、裁判所に報告してやろうと思ったのですが、すぐに、対応を改めたので、そこまで騒ぐこともないかと、裁判所には何も報告しないことにしました。

その後も、家計簿で何やかんやと実は言われることがあったのですが、無事、債権者集会が終了して、晴れて、免責という裁判所の許可を得ることもできました。

依頼者の方も、

「身から出た錆ですが、結構大変でした。」

と言っておりました。

ゲームは本当にうまくできていて、ゲーム開発会社は、いかにユーザーをゲームの虜にして、お金を出させるのか、ということを考えに考えてますので、結局、ゲーム会社の思うつぼになったわけです。

アイドルも同様です。

この世の中は、そのような誘惑・落とし穴に満ち満ちていますので、正気を保っていくこと自体が大変です。

ただ、実際に、借金してしまった場合には、慌てて辞めなくてもいい会社を辞めてしまったりすると、取り返しがつかないことにもなりかねませんので、怖がらずに弁護士に相談していただければと思います。

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