- 個人再生
個人再生(民事再生)の住宅ローン特則で住宅を残せるという意味を勘違いしていました。住宅ローンの支払自体がきつい場合はどうすればよいのでしょうか?【事務所法人案件】
相談前の状況
住宅ローンの支払がきついので、銀行の相談窓口に行って、担当者にその旨を話してみました。
そうしましたところ、リスケにより、返済方法や返済期間の仕切り直しもできなくはないとのことでした。
ただし、リスケといっても、一部を免除してもらえるわけではなく、月々の返済額が減っても、返済期間は長くなって、完済に至るまでの総額は逆に増える場合もありますよ、と言われました。
具体的にどのようにすればよいかについては、いくつか提案をもらいました。
・返済期間を長くする
返済期間を延長をして、月々の返済額を少なくする。
ただし、ローンの期間全体で見れば、得になるわけではなく、金利をより長い期間支払うことになるし、先々の収入状況が安定しない場合には、たとえ期間を長くしたとしてもなるべく、少しでも余裕ができたら、繰り上げ返済をしていくことをお勧めしますとのことでした。
・元本の返済猶予
しばらくの間、例えば、1年間とかは、利息だけを支払って、元本の支払いを1年後から開始するというものでした。
ただ、こちらも、1年しのげば、何かが大きく変わるというものではないので、利息1年分だけ負担が大きくなりますよ、とのことでした。
また、利息払いに慣れてしまうと、いざ元本返済が始まるときに、家計が追いつかないということもあり得るので注意してください、とのことでした。
・ボーナス払いをやめる
今は、ボーナス払い併用型なので、ボーナス時には多く支払うことになっているのですが、ボーナス払いをやめて毎月、均等に支払うということも可能とのことですが、当然ながら、そうすると毎月の支払額が増えます。
・変動金利型にする
借りた当初は、利息が将来高くなることをリスクとして考えたので、固定金利を選択しましたが、現状では、明らかに変動金利型の方が利息が安いので、そちらを選択することも可能とのことでした。
ただし、もちろん、将来的に利息が上がるか下がるかは銀行では何も言えませんとのことでした。
それで、銀行の担当者の方が、
「自分が言うのもなんですが、ご自宅を維持するのが難しいという場合には、売却して賃貸に切り替えるというのも選択肢の一つかとも思いますよ。」
「今の時期、ご自宅がいくらで売れるかどうか等々を不動産会社に聞いてみるのも参考になるかもしれません。」
「別に、弁護士に相談してどうのこうのという局面ではないでしょうからね。」
と言われました。
「なんで、弁護士?」
と思ったのですが、自分で、インターネットで検索してみたところ、個人再生とか民事再生という手続きがあるということや、自己破産だと自宅を守れないけど、個人再生や民事再生という手続きをとれば自宅を守れるということを知りました。
そして、個人再生や民事再生をすれば、借金は8割とか9割カットしてもらえるという事も知りました。
まさに、実際の自分の今の状況は、ちょっと無理して購入した住宅ローンの支払に悩んでおり、しかも、住宅をなんとか残せないかと思い悩んでいたので、こんな手続きがあるのなら是非、行いたいと考えて、個人再生や民事再生を行っている弁護士を探したという次第です。
具体的には、住宅ローンがまだ2000万円近くあり、あとは、何枚かのクレジットカードのショッピングやキャッシング等が合わせて100万程度ある状況でした。
解決への流れ
そこで、まずは、自分の状況を説明したところ、結論としては、個人再生手続きを行ったとしても、借金は全く減らない、ということを聞いてがっかりでした。
そもそも、今の自分の家は、売れば中古でも2000万円前後にはなると思うのですが、住宅ローンも2000万円前後なので、この住宅ローンだけを減額できると思っていましたが、それはできないそうです。
個人再生(民事再生)には、住宅ローン特則というのがあるのはあるけれども、その意味は、他の借金は減額することができるけれども、住宅ローンについては、そのまま支払いを続けることができる、という意味でした。
なんで、住宅ローンだけそのまま支払い続けるのが特別なのかというと、住宅ローンは家が担保にとられているから、住宅ローンをそのまま支払い続けることよって、家を守る、というそういう意味らしいのです。
すなわち、住宅ローンの支払自体が苦しい、住宅ローンがもう支払いできないという場合には、個人再生や民事再生をやったとしても、どうしようもないという事でした。
私は、住宅ローンがせめて半分ぐらいになれば、住宅の価値が2000万円程度あるので、1000万円は得するなあ、と思っていたのですが、そううまくはいかないみたいです。
さらには、住宅ローンが家の値段よりも低い場合には、その差額、つまり、住宅が2000万円で、住宅ローンが1000万円の場合には、1000万円が資産になるので、その1000万円分は支払いに充てられるとも言われました。
財産を残しながら、借金の額を減らすなんて言う方法はないのですね。
それから、せめて、カードのキャッシング等々で100万円の借金があるので、こちらは個人再生とか民事再生をすれば、減額できるのか、と聞いたところ、こちらも減額できないという事でした。
つまり、借金が100万円の場合には、それよりも低くはならないということでした。
ですので、結論として、私のケースではどうにもならないし、さらに言うと、仮に破産したところで、住宅は売却されて、住宅ローン会社・銀行の返済に充てられてお終い。
確かに、カードのキャッシング等々で100万円の借金は、免除されるかもしれないけど、破産費用を考えたら、やる意味があるのか疑問だ、ということでした。
また、その後のことも考えないとダメだとも言われました。
つまり、確かに、住宅を手放せば、住宅ローンはなくなるけれどもそれで終わりではなくて、次に、どこか借家とかアパートを借りないといけなくなるので、その初期費用もかかるし、日々のお家賃も、住宅ローンと同じくらいにかかるのであれば、なんのために、住宅を手放したのか分からなくなる、という事でした。
しいて債務整理をやるのなら、任意整理と言って、100万円の住宅ローン以外の借金について月々の返済額を債権者と交渉して、なるべく安くしてもらう(返済期間を長くしてもらう)ことぐらいだとのことですが、どんなに長くても7年程度が限界だという事でした。
ただ、そうすると、計算すると、今の月々のリボ払いも返済額は高くなるので、月々の支払い負担は逆に苦しくなります。
もちろん、任意整理をすれば、将来分の利息は発生しないという事ですので、支払えば支払っただけ元本は減りますが、それでも、目先の支払いが大変になってしまうのでは私にとっては意味がありません。
ということで、そうそう都合のいいい話ってないもんですね。
https://債務整理新潟.com/
小澤 和彦 弁護士からのコメント
ご期待に沿えなくて残念でしたが、今回のようなご相談のケースではたとえ、個人再生を行ってもあまり経済的に意味がありません。
個人再生手続きにおいて住宅ローン特別条項を検討する場合には、その住宅ローンが住宅の価値よりも低いか(アンダーローン)、住宅ローンが住宅の価値よりも高いか(オーバーローン)を考えなければなりません。
★住宅ローンが住宅の価値よりも高い(オーバーローン)ケースの場合
つまり、住宅の方が住宅ローンよりも安いので、住宅を売却したとしても、その住宅ローンの返済すら満足にできない、さらに住宅ローンの未返済分が残るという状況です。
例えば、住宅ローンの額が2000万円で、不動産の価格が1000万円の場合に、家を売却したとしても1000万円の住宅ローン債務が残ってしまいます。
したがって、住宅の資産価値はゼロ(マイナス)ということになります。
そこで、もし、住宅ローン以外の他の債務が100万円以上あるとすれば、個人再生をとる意義はあります。
ただし、個人再生には、「最低弁済額」というものが借金の総額(住宅ローンを除く)により定められておりまして、借金の額に応じて、最低この額だけは返済しなければならない金額があるのです。
具体的には、次のようになります。
債務が100万円未満・・・債務全額
債務が100万円以上500万円以下・・・100万円
債務が500万円超1,500万円以下・・・債務額の5分の1
債務が1,500万円超3,000万円以下・・・300万円
債務が3,000万円以上5,000万円以下・・・債務額の10分の1
ですので、債務の額が100万円ですと、最低弁済額基準は100万円となり、債務圧縮の効果が全くないということになります。
★住宅ローンが住宅の価値よりも低い(アンダーローン)ケースの場合
この場合には、住宅を売却しさえすれば、住宅ローンが完済出来て、さらに余剰まで生じる状態ですので、個人再生手続きをとる必要がないと言えます。
ただし、全てのアンダーローンのケースで個人再生の必要がないという訳ではありません。
例えば、アンダーローンとはいいつつも、余剰が100万円であり、他方で、住宅ローン以外の借金が1500万円あるとした場合、1500万円が圧縮されても最低弁済額は300万円になります。
このような場合には、100万円の資産があっても、最低弁済額はこれを超える300万円ですので、300万円を返済すればよく、300万円に加えて資産100万円分を返済しろとは言われません。
したがって、個人再生をとることにより、
1500万円ー300万円=1200万円
の債務圧縮効果が得られるのです。
逆の場合もあり得ます。
つまり、
例えば、アンダーローンの場合で、余剰が300万円であり、他方で、住宅ローン以外の借金が500万円あるとした場合、500万円が圧縮されて最低弁済額は100万円になります。
このような場合には、300万円の資産があるので、最低弁済額は100万円ではなく300万円となります。
したがって、個人再生をとることにより、
500万円ー300万円=200万円
の債務圧縮効果が得られるのです。
このように、住宅ローンがある場合の個人再生は、債務圧縮効果をどの程度、得られるかを資産・債務の状況からシュミレーションしなければならないので、まずは詳しい弁護士に相談する必要があります。
https://債務整理新潟.com/
- 営業時間
- 10:00 22:00