- 自己破産
特殊な仕事の状況で破産はできない。かといって任意整理したとしても月々の支払がとっても無理です。ということで個人再生にチャレンジ。引っ越しまですることになりました。【事務所法人案件】
相談前の状況
〈借金を抱えるに至った経緯〉
借金をこしらえてしまった原因はネットショッピングです。
反省してます。
職場に若い子がどんどん入ってくるようになり、言い方は悪いですが、ゆとりというか、全く責任感ないし主体性がない、自分の頭で考えない、応用が全く効かない、ということでドンドンとストレスを抱えてしまっており、しかも、上司からは、私がうまく管理指導できていないからと追い詰められ、知らないうちに、そんなに欲しくもないのに常時、ショッピングサイトを見るようになりました。
もちろん、見るだけなら、タダなので、なんの問題もないのですが、どうしても、一度、見ると何か買わなきゃスマホを閉じれない、という自分でも良く分からない、変な習性がついてしまい、服や装飾品、バッグ、靴、雑貨が増えて行ってしまいました。
それだけなら、女子にはよくあるのかもしれませんが、なぜかご当地のスイーツや名産お取り寄せ等も、こまめにチェックして、見たことないもの、食べたことないもの、あるいは逆に、テレビで芸能人がお勧めしていたり、番組で紹介されているものを見つけては買っていました。
一人暮らしなので、誰も止める人もおらず、そんなことをしていたら、ショッピングの残高が大変なことになりました。
最初はリボ払いだったので、さほど、気にならなかったのです。
それに、自分で言うのもなんですが、独身ですし、いざとなれば、生活を切り詰めるなどすれば借金を返せると思っていたのですが、ちょうどその矢先に彼氏ができてしまいまして、デート代や旅行代、記念日のプレゼント代など、むしろ、借金が増えてしまいました。
別に、彼氏に貢ぐとかそういうことでもないですが、少なくとも、彼もそんなに経済的に余裕がある感じでもないので、むしろ、私が先回りして、支払いをしたという次第です。
それで、私は、自分の力で債務整理できないかと、スマホで探し始めたのですが、それを見ているとどうしても、弁護士や司法書士の力を借りないと難しそうなのです。
だったら相談すればいいだけの話なのですが、そこからが問題なのです。
私が勤めているところは、お取引先が裁判所を含む官公庁もあり、また、弁護士事務所、税理士事務所、司法書士事務所もありで、しかも、私がその対応窓口になるということも多く、とても、自己破産をしてその関係で裁判所の人や破産管財人の弁護士の方に会うことになるのは精神的に耐えられませんでした。
また、自分の知り合いでない弁護士に依頼すればいいではないか、と言われそうですが、弁護士同士の横のつながりも分からず、私の名前が情報共有されて浪費女とか言われるとこれまた辛いなあ、と思い、誰も自分のことを知らない場所で、なんとか債務整理できないかと、東京の司法書士に絞って、検索して、調べて、その司法書士に依頼するために有休をとって東京まで行きました。
その司法書士によると、もし、自己破産をするとなると、なんの無関係な場所の裁判所に自己破産の申し立てをすることはできず、自分の住所・居所、せめて職場がないと、その裁判所で管轄を認めてもらえないだろう、ということでした。
それで、裁判所と無関係にできる任意整理をしたらどうかと言われて、任意整理した場合の支払額を計算してみてもらったところ、どんなに少なく見積もっても、月々の支払金額が大きすぎて、とても無理だということになりました。
解決への流れ
そこで、自己破産もできないし、任意整理もできないし、困ったなあ、と思っていたところ、司法書士が、
「せっかく東京に出てきてもらったのになんですが、知り合いの弁護士を紹介しましょうか?」
「債務整理でいつも面倒だったり、複雑なものがあると、その弁護士に頼むんですよ。しかも、事務所は東京にもあるけど、あなたの地元にもありますよ。」
と言われました。
「なんていう事務所のなんていう弁護士の先生ですか?」
と聞くと、面識のない事務所の弁護士の方だったので、安心しました。
ただ、弁護士間のネットワークで私のことが話題になると困ると思い、
「その弁護士さんは口が堅いですか?」
「大丈夫ですか?」
と司法書士に確認しました。
司法書士は、
「司法書士も弁護士も当然、守秘義務があるから大丈夫ですよ。」
「どうしても気になるというのなら私の方から念押ししておきましょうか?」
と言ってくれたので、
「是非、お願いします。」
「信用していないわけではないので、気を悪くしないような形で言ってもらえますか?」
とお願いしました。
それが、こちらの弁護士事務所です。
仕事が遅いので、夜の9時近くになってしまいましたが、普通に面談の時間を作ってくれました。
こちらの事務所を紹介してくれた司法書士さんも随分と誠実なよい方でした。
ただし、後日、こちらの弁護士事務所をインターネットで検索して見てみたところ、見覚えのあるホームページでしたので、実は、こちらの弁護士事務所があることは以前から知ってはいたことになるのです。
しかし、その時は、私の中では、地元の弁護士事務所さんだと、もし知り合いだったらマズい、という意識があったので、詳しくは見ないでスルーしたのだと思います。
こちらの弁護士事務所さんのように、全国チェーンではないけど、東京にも地元にも事務所があるところって、意外にありそうでないんですね。
そして、その弁護士事務所に行きましたところ会って間もなく、
「話は聞いてますよ。」
「個人再生がいいと思いますよ。」
「個人再生なら、免責不許可事由の調査というものもありません。あなたの浪費の件は申立書には書きますが、それが問題にされることはないんです。」
「加えて、あなたの職場に個人再生をしているということも知られることはありません。」
「債務整理の方法って言っても、5通りも10通りもあるわけではないんです。」
「今の状況でとり得る方法としては、個人再生がベストでは?」
弁護士さんが言っていることは良く分かりましたが、私にはさらに不安がありました。
それは、裁判所への提出書類です。
当然、私の勤務先名は出てきますし、見る人が見れば、私の名前を知っている人も出てくるかもしれません。
それをなんとか避けるわけにはいかないのか、と弁護士さんにお伺いしましたが、
「個人再生は裁判手続きだからね、さすがに、勤務先も名前も伏せるというわけにもいかないしねえ。」
と、苦笑いを浮かべて、その場では妙案はでませんでした。
そして、その次の面談において、
「ちょっと、今のお住まいの家賃が高すぎませんか?」
「個人再生するにしたって、もう少し安いところに引っ越した方がいいと思うんですけど、どうですか?」
「ちょ、ちょっと待ってください。」
「引越しするんですか?私が?」
「はい、そうです。」
「しかも、一回、ご実家に帰ったらどうですか?」
「えっ、実家に?」
小澤 和彦 弁護士からのコメント
依頼者の方は当初、仕事を辞めろと言われているのかと勘違いしたようです。
「仕事を辞めて?」
もちろん、仕事は継続していただかないと個人再生ができません。
「仕事は辞めないでください。」
「地元から市内に通っている人もいますよね?」
「少しの期間は頑張りましょうよ。」
とお話ししました。
「少しってどれくらいですか?」
依頼者の方は少し不安そうでした。
「そうですねえ、個人再生の認可がおりて支払いのリズムがうまく出来てくるまでがベストですが。」
要するに、個人再生の申立先を支部にしようとすることと、実際、家賃がしばらくかからないところで資金をためるという意味で一石二鳥だと思い、ご提案しました。
しかし、一石二鳥とは言え、本当に、実家から市内まで毎日毎日、通うのは2つ返事では大丈夫とは言えませんでした。
ただ、市内の裁判所では、依頼者の方の会社が取引業者だという事を知っている人は知っているでしょうし、裁判所内でどこからどのように噂が流れないとも限らないので、やはり、ここはひとつ頑張るしかないかと覚悟を決められたようです。
そして、実家への引っ越し(引き揚げ)を行った後に、個人再生の申し立て準備を本格的に行うことになりました。
最初は、母親は、私が結婚でもするのかと勘違いして、どうしたのか?と少し騒いでいたそうです。
ですが、母親には、母親の体調が心配だから、仕事も大分余裕が出来てきたからと言ってごまかしたとのこと。
ですが、母親はなんとなく気づいていたのかもしれません。
ただ、実家に引き揚げて実際、生活費が断然安くなりました。
家賃なし、水道光熱費なし、交通費は普通に会社から出してもらえる、夜も飲みに行かない(行けない)ということで、経済的には楽になりました。
会社の人も、
「実家から通うんですか?」
と驚いていたそうですが、母が高齢で、と言うとかえって同情していただき、
「出勤、退勤時間は相談にのるからね。」
と協力的な話もしていただけたとのこと。
結果オーライでした。
さて、個人再生の申請準備書類なのですが、いろいろ必要です。
給与明細
源泉徴収票
預金通帳
保険関係書類
などなど。
ですが、一番問題なのは、「退職金証明書」です。
つい先日、母親のことを言ったばかりですので、このタイミングで言えば、絶対に、退職することを考えていると思われてしまいます。
依頼者の方は、実家のリフォームローンを組むのに銀行から書類を求められている、と請求したそうです。
そして、証明書の様式は当事務所で作成して、その通りにその書類を提出して、金額を埋めてもらい、サインを頂きました。
そして、ようやく個人再生の申し立てをしたのですが、今度は、裁判所から、母親の年金の書類とか通帳とかを求められました。
依頼者は母親の家に転がり込んでいるだけで、家計はまったく別個で、部屋を一室借りているだけという「上申書」という文書を作成して、母親関係の書類は出さないで済むようなりました。
その後は、さほどの波風も立たず、再生委員の弁護士さんも当然ながら全く面識のない方で、裁判所の認可が出ることになりよかったです。
実は、本ケース、かなり、ご本人が気にしすぎの側面があったと思います。
裁判所の出入りの業者だからと破産や再生係まで知られているとは思えません。ですが、本人が不安を払しょくし、何より実家で生活を立て直すという意味で引越しは正解だったと思っております。
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