- 自己破産
(その1)自己破産の費用が惜しいので、自分で自己破産手続きを進めようとしたところ分からないことだらけ、裁判所書記官からも急に冷たく突き放されるようになりピンチ!今から依頼すると?【事務所法人案件】
相談前の状況
自己破産手続きは、司法書士や弁護士に頼まなくても自分でもできるとインターネットの掲示板や口コミサイトに書いてあり、司法書士の費用とかもったいないので、自分で
やってみることにしました。
そして、
「分からないことがあったら、裁判所に聞けば教えてもらえる」
とあったので、何度も何度も、裁判所に電話したり、場合によっては直接、窓口に出向いて教えてもらいました。
そこで、必要な書類とかがあるということでした。
・住民票
・戸籍謄本
・給与明細(2か月分)
・源泉徴収票(もしくは課税所得証明書)
・預金通帳(2年分)
・賃貸契約書の写し(賃貸の場合)
・不動産の登記事項証明書(不動産を所有している場合)
・退職金を証明する書面
・車検証
・保険証券
・解約返戻金の有無が分かる書類(積立型の保険を契約している場合)
順番に、
・住民票
・戸籍謄本
の違いが分かりませんでした。
それで、どういう書面なのかを問い合わせると、
住民票とは、住所を記載した役所の書面で
戸籍謄本とは、籍を登録した役所の書面ですと。
そこで、それをどこに行けばもらえるのですか?と尋ねたら、市役所に行けばもらえると教えてもらいました。
分からなければ、市役所の窓口で、
「住民票と戸籍謄本を取りにきたのですが、どこに行けばいいですか?」
と聞けば教えてもらえるとのことでした。
そして、実際に、市役所に行ったところ、聞くまでもなく、
「住民票の交付はコチラ」
と書いてありましたので、戸籍謄本も併せて無事に取得することができました。
次に、
・給与明細(2か月分)
・源泉徴収票(もしくは課税所得証明書)
とあったのですが、「源泉徴収票」というものをもらった記憶がないので、これも聞きに行きましたところ、
「そんなはずはない。会社に再度、確認してみてください。また、もし、無くしたとかいうことであれば、再発行を受けてください」
と言われましたので、会社で、
「あのう、源泉徴収票ってもらったりしていないと思うんですけど。」
と言ったところ、
「源泉徴収票は、ご自身で会社の派遣社員管理システムにログインしていただき閲覧するか必要に応じてダウロードする形式です。」
「源泉徴収票のご用途は何ですか?」
と言われてしまったので、
「あの、いや、ちょっと友人と会話していて、そういえば、どうなっているのかなと思って・・・。」
とおかしな返答をしていると、
「確定申告で紙の源泉徴収票が必要だという事でしたら、そのための手続きをしますがどうしますか?」
と言われ、
(確定申告?まさか、自己破産するためとは言えないし、ダウンロードするんじゃダメかな。今から、裁判所に電話してみようかな。でも、ここで電話したら怪しまれるからな。)
と、どうしようか迷っていると、
「では、もし、必要があれば言ってください。ログインIDとパスワードは分かりますか?」
と聞かれて、そういえば、それも分からなかったので、ログインIDを教えてもらい、パスワードは、あとで、メールで送ってもらいました。
そして、裁判所に電話して、源泉徴収票の仕組みと、ダウンロードしたやつをプリントアウトしたものでもいいかと尋ねると、
「それで結構です。」
と教えてもらいました。ところが、
「弁護士を探して相談された方がいいでよ。この調子だとすごく時間もかかるし、裁判所も個別の事件についてまでアドバイスはできませんよ。」
と急に突き放すような態度になってしまいました。
解決への流れ
せっかく、自分で手続きを始めたのに、急に裁判所の書記官の人が冷たくなったので、とりあへず、弁護士無料相談に行って、やり方を全部、教えてもらうつもりで相談に行きました。
すると、
「やり方そのものについては、裁判所のホームページ等に必要記載事項、書式や必要書類が書いてありますよ。」
と言われました。
「しかし、個別に事情が違いますよね?」
「例えば、源泉徴収票とかですが、うちの会社は派遣社員管理システムにログインして閲覧するか必要に応じてダウロードする形式なんです。」
「ですから、そういう場合は、どうすればよいのかとか、実際にやり始めたところ、そもそも、その書類の意味も分からないのもあるし、分かっても、どうやって準備すればいいのかが分からないのもあるし、手続きが凄い大変なんです。」
というと、弁護士さんは、
「まあ、そうでしょうねえ。」
「でも、本当に分からなければ裁判所に聞くしかないですよ。」
「要は、破産って言うのは、裁判所で行われる裁判手続きなんですから、当の裁判所がその書類で受け付けるかどうかの問題になります。」
「うちの事務所が代理人になって手続きをする場合でもたしかに、これはどういう風にすればいいかなあ、と悩む局面もありますから、その場合には、裁判所に協議します。」
「ただし、それは、破産手続きが開始した後の話ですから、受付前の事件については、裁判所の書記官も市民の窓口として、一般的な手続きのご案内をするだけで、個別具体的な事項については答えないでしょうね。」
「もちろん、源泉徴収票の提出が原本か写しかについては一般的な手続きの案内に入ると思いますよ。」
「それで、本日は何をお聞きになりたいですか?」
と言われたので、ふと考えてみると、具体的に何を聞けばよいのかさえ、分からないと思い、
「具体的な質問事項については用意していないですが、こういう場合、何を聞けばいいんですかね?」
と訳の分からない質問をしてしまいました。
弁護士さんっも苦笑いしながら、
「まあ、とにかく、おっしゃる通りで、破産の手続と言っても、個別に置かれた環境が違うので、マニュアルだけでは何ともならないのですよね。」
「臨機応変に頑張って頂くしかないと思います。」
と言われてしましました。
そこで、
「今から、弁護士さんを依頼する場合、最初から頼んだのと同じ費用がかかりますか?」
と端的に聞いてみたところ、
「最初から頼んだのと同じ費用になります」
と即答でした。
「ここまでは自分の力で書類を集めたので、その分、費用はディスカウントされるのではないか?」
と多少、期待していたのですが、全く費用が変わらないということでした。
というよりも、
「源泉徴収票」などは、そもそも、本人が取得して、弁護士に渡すというものなので、仮に最初から依頼していたとしても、自分で会社に請求したり、自分の家に保管されているものを弁護士さんに送るなりするという性質のものだと言われました。
ただ、
「例えば、あなたの会社の源泉徴収票がそういうシステムなのだとすると、写しでもいいのか、ということについては、あなたがもし依頼しているのであるとすると、当事務所にその都度、お電話なり、メールなりでお問い合わせいただけます。」
「それに、重要なのは、いかにして破産申し立てにより免責の許可がもらえるかどうかを事前に検討して準備することです。」
「そもそも、本件は、管財(カンザイ)事件になるような要素はないのですか?」
とまた新しい言葉。。
小澤 和彦 弁護士からのコメント
以前は、「自分でも自己破産手続きできますかね?」というご質問については、
「できますよ。」
とお答えしていたのですが、最近はずっと、
「それは各個人の方の能力や事情等によりますので分かりません。」
とお答えしております。
実際、インターネット等で、自分でできた、と自己破産手続きを自分で行った体験談を書いたブログ等があるようです。
ですが、それは、そもそも、その方がこの手の手続に慣れているのかもしれないですし、(言い方がなんですが)あまり、問題の少ない簡単なケースだったのかもしれません。
また、働き方も、資産の状況(家、車、保険)も借金の状況(住宅ローン、オートローン、キャッシング、ショッピング、教育ローン、おまとめローン)も、個別に異なりますので、同じようにできるかどうかなんて分からないですよね。
しかも、その人が手続きするのに十分な時間的余裕があるのか、書類の説明を一回聞いただけで理解できる能力があるのか、等々に左右されるので、後から、
「先生は、私でも自分でできるって言ったじゃやないですか!」
と言われても困るんですよね。
なお、弁護士に依頼すると、当然、費用の問題が出てきますが、依頼するメリットとしては次の通りになります。
・面倒な必要書類の取得や裁判所のやり取りをしてくれる
今回のケースではこちらがどうも相談者の方にとっては大変だったようです。
ただし、すでにお話ししましたように、給与明細とか源泉徴収票とか、弁護士がまさか本人に代わって会社の経理や総務に電話して送ってもらうわけにもいきませんので、どうしてもご自身で取得していただく必要がある書類があります。
ただ、その場合でも、
「どうやって会社に言ったらいいか分からない。」
「会社に○○って聞かれたけど、なんと回答すればいいのか分からない。」
等々、いろんな働き方や会社さんがありますので、その状況に応じたアドバイスはさせて頂きます。
他方、住民票や戸籍等は、弁護士事務所で取得することも可能です。
・免責のための必要書類の準備のアドバイス
浪費、ギャンブル、投機行為、偏頗弁済(特定の債権者にのみ返済する事)等は免責不許可事由といって、自己破産による借金の免除が認めてもらえない理由になります。
しかし、免責不許可事由があったとしても、「裁量免責(さいりょうめんせき)」と言って、免責が裁判官の裁量によって個別に認めてもらえる場合があります。
ただし、何もしないで裁量免責は認められません。
内容のある反省文を始めとして、ケースに応じて、家計簿をつけてみたり、ショッピングやギャンブルの取引履歴を作ってみたり、と免責を認めてもらうために、ケースに応じた、いろいろな準備が必要です。
・破産管財費用が安くなる
自己破産手続きにも実は2つあり、1つは破産管財人がつく自己破産のケースでこちらは破産管財手続き、ないし、管財事件、と言います。
もう1つは、破産管財人がつかないケースで、こちらは、同時廃止手続き、ないし、同廃事件、と言います。
そして、例えば、免責不許可事由があるとか、不動産とか車とか生命保険解約返戻金とか何か財産があるとか、個人事業主であるとか、いうケースでは破産管財人がつきます。
管財事件になった場合には、費用が別途かかります。
そして、本人が申し立てた場合と、弁護士を代理人につけた場合とでは、弁護士を代理人につけた場合の方が費用が安いのです。
これは、弁護士がついていれば事前に書類等、整理がなされているからです。
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