こまめなコミュニケーションで信頼関係を築き、依頼者の生活がより良いものになるように尽力
勉強に、登山に、社会問題の研究に打ち込んだ学生時代
ーー弁護士を目指したきっかけや理由についてお聞かせください。
子どもの頃に見た『最後の弁護人』というドラマで弁護士の活躍を見て憧れたことが最初のきっかけです。
大学では、貧困問題や社会保障について研究し、論文を書くサークルに所属していました。 直接法律とは関係がないサークルですが、弁護士を目指す上で法律トラブルが起こる社会的背景を学ぶことができました。例えば、離婚の背景にあるジェンダーバランスの問題や、破産の背景にある生活保護などの制度の問題です。
個人の問題と社会の問題をどちらも考えることができたので非常に意味のある勉強でした。 先輩たちが卒業し弁護士として活躍する姿を見て、自分もはやく弁護士になりたいと勉強に打ち込みました。
一方で、ただ勉強漬けだったわけではなく、山岳サークルにも所属していて、夏休みなどの長期休暇を利用して登山をしていました。子どもの頃にボーイスカウトに参加したことがきっかけでアウトドアが好きになり、大学でもそうした活動をしたいと思ったんです。
勉強だけでなく、趣味にも熱心に取り組んだことで、充実した学生生活を送ることができました。
ーー現在の注力分野とその分野に注力している理由についてお聞かせください。
労働問題、債務整理、離婚、成年後見、刑事事件に注力しています。
労働は生活の基盤ですので、労働環境の悪化は生活を大きく損なうことになります。弁護士が介入して労働問題を是正することは、依頼者の生活を守ることに繋がるため注力しようと思いました。
同様に、債務整理や離婚も生活に密着している問題です。債権者からの返済催促に追い詰められ、破綻している夫婦関係に悩む人たちがいます。そういう人たちに平穏な日常を取り戻してほしいという思いで取り組んでいます。
成年後見は少子高齢化が進む中で需要が高まる分野ではないかと考えています。年金や高齢者医療といった社会保障とも関連があり学ぶことが多いため、弁護士会の委員会に入って研究をしながら取り組んでいます。
刑事事件は他の士業では関われない分野です。被疑者・被告人の権利を守ることができるのは弁護士だけですので、弁護士の存在意義を感じています。
最善の解決は裁判の結果だけではない
ーー仕事をする上で心がけていることはなんでしょうか。
依頼者とこまめにコミュニケーションを取り、話をするときはなるべく直接会うか電話をかけるようにしています。
仕事上、依頼者の意向に沿わない報告をしなければいけないときがあります。そうしたときにメールや手紙で伝えたら、依頼者の気持ちを汲み取ることができません。文字でのコミュニケーションは細かいニュアンスを伝えるのが難しいため、依頼者の納得感を得るためにも会話をすることが大切だと思っています。
また、話を聞くときは頭ごなしに否定しないようにしています。事件と関係がないと思って話を否定したり遮ってしまうと、依頼者は思っていることを話しづらくなってしまいます。弁護士は客観的事実を法律に当てはめるだけではなく、依頼者の気持ちに寄り添うことも必要です。
話を聞くことで依頼者の抱えているストレスが少しでも軽減されるのであれば、たとえ事件と直接関係がない話であったとしても、真摯に耳を傾けようと思っています。
ーー弁護士として活動してきた中で印象的だったエピソードを教えてください。
窃盗の再犯で逮捕されたホームレスの方の弁護人を担当したときのことが印象に残っています。
依頼者には身寄りがない上に住む家も仕事もなく、自暴自棄になっているように見えました。加えて再犯であることから、裁判の見通しは厳しいものでした。
それでも何かできることはないかと考え、依頼者が以前入所していた更生保護施設の職員に情状証人をお願いすることにしたんです。
世話になった職員に会うことに後ろめたい気持ちがあったのか、依頼者はあまり乗り気ではなかったのですが、自分のために裁判で証言してくれる職員の姿に心が動かされたようでした。
それまで投げやりな態度を取ってばかりいた依頼者が、更生を約束してくれて、前向きに生きると話してくれたんです。
残念ながら裁判では実刑が確定しましたが、依頼者が前向きになってくれたことがとてもうれしく、最善の解決は裁判の結果だけではないと学びました。
依頼者と共に歩むパートナーとして
ーー休日の過ごし方をお聞かせください。
休日は家で小説などを読んで過ごすことが多いです。
本当は登山もしたいのですが、時間をかけて準備する必要があるので、弁護士になってからはなかなか行く機会が持てずにいます。もう少し時間に余裕ができて、登山仲間を作ることができたら行きたいですね。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
法律の改正は常に行われていますので、研鑽を積むことを怠らず、幅広い分野に対応できるようにしたいと思っています。
また、事件解決後も依頼者と良好な関係を継続し、困ったことがあればいつでも気軽に連絡できるような弁護士でありたいと考えています。そのためにも、一つ一つの事件にしっかり向き合い、依頼者の納得感が得られるように努めていきたいと思います。
弁護士の社会的な需要は今よりももっとあると思います。そのニーズを吸収しつつ、新しい分野に携われるような活動ができたらと考えています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる人にメッセージをお願いします。
「こんなこと相談していいのかな?」と思うようなことであっても、一度相談してみてください。相談していただければ、法律で解決できる問題なのか判断できますし、金銭面で不安があるのならば、法テラスを紹介することも可能です。そうしたことを知るだけでも、相談する意味があると思います。
抱えている悩みを共に考えていくパートナーとして、まずはお話を聞かせてください。