「町医者のような弁護士として、困りごとを気軽に相談できる存在でありたい」
最初は公害問題や人権問題に取り組む弁護士に憧れ
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
色々ありますが、社会の様々な問題あるいは矛盾に悩む人の手助けができる仕事だというのが大きな理由でしょうか。
私が学生の頃は、公害問題も勝訴判決が出て司法救済が図れるようになっていましたが、弁護士は被害に苦しむ人の救済に関われるのだということは、素晴らしいことだと思いました。学生の頃は、社会的弱者の力になりたいという思いを持っていましたので、弁護士の仕事は、そうしたことができる仕事なのではないかと思っていました。
また一方で、全然違う弁護士像ですが、やはり私が学生の頃、大岡昇平原作の「事件」という小説が映画化されたりドラマ化されたりしました。こちらは刑事弁護人の話です。弁護士が一人でコツコツと調査して真実にたどり着くのですが、その中で、人間の持つ弱さや狡さなど様々な姿が明らかになっていくのです。そうした生の人間に接する仕事への関心もありました。
弁護士は、社会に関わって、困っている人を助ける仕事ができるということ、それも、様々な形で、様々な問題に関わっていけるということが、弁護士を目指した大きな理由ということになるでしょうか。
ーー注力分野を教えてください。
個人のトラブルを中心にしていますので、離婚・子どもをめぐる問題や遺産相続などの家事事件の依頼が多く、男女問題の相談もあります。
私がこれまで所属していた事務所は、個人事務所や少人数の共同事務所でしたので、家事事件の割合も大きい方でしたが、家事事件は、家族の人間関係が崩れてしまうなど、その後の人生に大きな影響が出ることが少なくありません。悩みを相談しにくいという問題もあります。そのような状況で困っている方の力になりたいという思いは、弁護士になってから一貫して抱いています。
また、家事事件以外にも、不動産の賃貸借をめぐる問題や金銭トラブル、刑事事件あるいは少年事件など、個人のお悩みには幅広く対応しています。最近は、高齢の方の成年後見事件なども対応しています。
ーー仕事をする上で心がけていることは何でしょうか。
当たり前のことではありますが、依頼者の不安や悩みにしっかりと耳を傾け、親身に対応することを意識しています。
法律的なアドバイス以前に、誰かに話を聞いてもらうことで安心する人も少なくありません。じっくり話を聞くことがまず大事だと思っています。
中には依頼者が望む解決が難しいケースもあります。現実的な見通しは依頼者にきちんと伝えなければなりませんが、できるだけ依頼者に納得してもらえるように、何ができるのかを考えるためにも、依頼者の話をきちんと聞くことは大切だと思います。
普通に生活していても、ある日突然トラブルに巻き込まれることもあります。町医者のような弁護士として、困ったことがあったら気軽に相談できる存在でありたいと思っています。
ーー弁護士として活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
ある離婚案件で、離婚に向けた別居中に面会交流を実現させたケースが印象に残っています。
父親が子どもの一人を連れて出て行ってしまったというケースで、依頼者である母親は子どもとの面会を強く望んでいたのですが、父親は子どもを連れ戻されることを警戒して、面会交流を拒否していました。
なんとか面会交流を実現させたいと思い、母と子どもとが父親の眼を気にせず安心して会える場所として、子どもの通っている学校の協力を得られないかと考えました。
学校で面会交流を実施するケースは多くありません。まずは学校に電話して事情を話し、校長先生に理解して頂けるよう努力しました。校長先生の反応は、最初は警戒して消極的でした。父母の係争に学校が巻き込まれることを警戒することは当然です。私は校長先生に丁寧に説明をして、立ち会いなど面会の条件をきちんと守ることや面会交流の必要性などを根気よく校長先生に説明しました。校長先生は、それまで母親が保護者会にきちんと出席していたことや、最近子どもが元気のない様子でいることを担任の先生から聞いてもらった上で、面会について子ども自身の気持ちを確認した上で、学校での面会を認めてくれました。
学校の一室を借りての短い時間でしたが、本当に久しぶりに母親と子どもが面会をすることができたのです。
この案件は、親権が争われ、子の引取りについては仮処分を申立て、抗告審でも争われ、強制執行まで行った事件なので、強い印象で残っています。
離婚に当たって、子どもの面会交流が問題になる事案は多いです。
親権が争われる事案では、面会交流の実現は難しいところがありますが、子どものことを考えながら、父母がどうやって折り合いをつけられるか、監護親が安心して応じられるような状況を作っていくことが重要だと思います。
気軽に弁護士を活用してほしい
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
自然が好きで、近場の山にハイキングに行くことがあります。あるいは街中のちょっとした庭園や公園へ行って、野鳥や昆虫、花などを眺めることも好きです。なかなか遠くに出かけることはできませんが、その代わり、今の事務所は新宿御苑のすぐ近くなので、桜の花や秋の菊や紅葉を見に、新宿御苑の中を散策したりすることもあります。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
引き続き、家事事件や個人のトラブルを中心に、一つ一つの事件に真摯に取り組んでいきたいと思います。
また、弁護士会の委員会活動や地域の弁護士たちの活動にもより積極的に参加していきたいです。現在は、「子どもの人権と少年法に関する特別委員会」や、「公益通報者保護特別委員会」、「憲法問題対策センター」などに所属しています。委員会活動に参加している弁護士は、それぞれの専門分野でさまざまな経験を積んでいるので、私もとても勉強になっています。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
困ったことがあったら気軽に弁護士に相談をしていただきたいです。今はインターネットで簡単に弁護士を探せますし、無料相談もあって気軽に相談できる機会も増えています。そのような機会をどんどん利用してほしいです。
実際、私のところに来る相談でも、他の弁護士に相談した上で、セカンドオピニオンのような形で来る方がいます。いろいろな弁護士に相談できるのはよいことだと思います。
私はできる限りご相談者の思いを受け止めて、それに叶うような解決をしたいと思っています。ご事情や不安な気持ちをぜひ話してください。弁護士費用についても、私からももちろん説明しますが、疑問点などがあれば率直に質問してもらえればと思います。
解決に向けて共に、ぜひ一度ご相談いただければと思います。