暴力団やクレーマー事案に取り組み、不当要求への交渉力が強み「終わりの来ない案件はありません」
母が調停委員、「紛争に携わり解決したい」と弁護士の道を目指す
——弁護士を目指したきっかけはありますか。
自分が高校生の頃から、母親が家庭裁判所の調停委員をしていました。母からは、守秘義務に反しない範囲で、調停であったことを一般化した話を日頃から聞いていました。
「こんなドラマがあるんだな。世の中色々なことがあって興味深いな」と感じ、自分も専門家としてさまざまな紛争に携わり、解決していきたいと思うようになりました。そこで弁護士になることを考え、大学も法学部に進学しました。
——現在、注力している分野を教えてください。
民事介入暴力事件です。弁護士会には、興味関心のある分野を扱う委員会に所属して公益活動をおこなう会務活動というものがあります。私は民事介入暴力対策委員会に所属し、暴力団等の反社会的勢力による被害者を救済したり被害を防止したりする活動をしています。
最近は、特殊詐欺事件で、暴力団組長に対し、使用者責任を根拠とする損害賠償請求を行う「組長訴訟」を扱っています。特殊詐欺は暴力団の「シノギ」になっていて、詐欺の実行犯は騙し取ったお金を上部団体に上納しています。実行犯を訴えてもお金を回収できませんが、お金を吸い上げている組長を訴えると回収できることがあります。
また、暴力団に限らず、ハードクレーマーの不当な要求に関する案件にも取り組んでいます。無茶な要求をされた時にどのように対応したら良いのかという知識は、暴力団だけでなく一般化できるものだと感じています。
また相続事件や離婚・男女問題などの家事事件も扱っています。最近では、認知症など判断能力が低下したときに備えて対策しておきたいというご相談があります。
元気なうちは「見守り契約」という契約を結びます。定期的に電話連絡したり自宅訪問したりして、依頼者の方の様子を見るといったものです。その後、判断能力が低下し本格的なサポートが必要な段階になったら、任意後見の申立てをします。元気なうちに遺言書を書いたり財産を整理したりする必要があるので、そのサポートもおこなっています。
どんな案件でも丁寧に、分かっていることも確認を徹底
——弁護士として活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
一番印象的だったのは、特殊詐欺の組長訴訟です。今は判例が確立して認められるようになりましたが、私が弁護士会の民事介入暴力対策委員会で取り組み始めた当時は、裁判所で認められるかどうかも分かりませんでした。1審では敗訴したのですが、その後主張の補充や刑事記録の調査をするなどした結果、高裁で逆転勝訴しました。とても苦労した案件だっただけに、印象深く残っています。
また、相続事件では、相続放棄の期限(3カ月)を過ぎてしまったというご相談を受けたことがあります。
亡くなった方は借金があり、相続放棄をしなければいけないケースでした。ただ、相続人のうちの1人が遺産相続の手続を全て取り仕切っており、他の兄弟には負債の状況を知らせていなかったんです。他の兄弟は、百か日法要で初めて、「お父さんに借金があって、払えないだろうから相続放棄した方がいいよ」と話をされたというものでした。
3カ月を過ぎてしまうと、相続放棄が認められるかどうかはシビアな問題で、裁判所によっても判断が分かれているところです。この時には、借金などの存在を認識した時から3カ月は経っていないと主張し、家庭裁判所に相続放棄を認めてもらえました。
相続の手続には期限があるものがいくつかありますが、この相続放棄もその一つで、3カ月というのは意外にあっという間ですので、気をつける必要があります。
——仕事をするときに心がけていることはなんですか。
どんな案件でも丁寧にやること、確認を徹底することです。「分かりきっているからこれ大丈夫」だと思っていても、知らないところで法改正など新しいことが起きている可能性もあります。分かっていることでも毎回確認するようにしています。
——休日はどのように過ごしていますか。
休日は家族と一緒に過ごしています。子どもの習い事に一緒について行っていき、子どもに混じってなぎなたを振ることもあります。
料理もよくします。もともとカレーが好きで、色々な店を食べ歩いたり、自分でスパイスを調合したりします。カレー以外にも、ロールキャベツなど、少し凝ったものも作ります。
今後は高齢者のサポートにも力を入れていきたい
——今後の展望を教えてください。
私の強みは、民事介入暴力対策委員会で、不当な要求への対応を多く担当してきたことです。また、これまでは会規制定委員会といって、弁護士会の会則や規則などの制定、改廃について担当してきましたので、条文の作成や審査も得意です。契約書や条文作成で深いところまでチェックができますので、企業法務の分野においても活かしていきたいと考えています。
今後はこれまで以上に、一般民事も扱っていきたいと思っています。特に関心があるのは、高齢者の方のサポートです。判断能力が低下してしまうと、財産管理や契約などのサポートが必要となります。これから高齢化社会となっていきますが、弁護士としてお手伝いできることがまだまだたくさんあると感じています。
——最後に、現在法律トラブルを抱えて悩んでいる方や、弁護士への依頼を検討している方に向けてメッセージをお願いします。
悩みがある時に一人で抱えるよりも、まず相談にきていただきたいと思っています。時間が経てば経つほど、物事は複雑になり、解決が難しくなっていきます。なるべく早い段階で専門家に相談していただければ、手遅れにならずに済むということもあります。初回相談は30分無料です。オンラインでの相談も対応していますので、まずはお気軽にご相談ください。