
離婚問題に注力し、依頼者に寄り添いながら解決に向けて全力でサポート
チアリーディングに熱中した学生時代
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
テレビ局で報道記者をしていた父が刑事事件の取材に関する話をよくしてくれていたので、刑事事件に関する仕事がしたいという思いがありました。刑事事件は警察官というイメージもありましたが、高校生のころに知った弁護士という職業に憧れて法学部に進学しました。ただ、大学から始めたチアリーディングに夢中になり、勉強よりも練習に打ち込む日々でしたね。
大学卒業後はいったん就職して会社員をしていました。居心地のよい職場で、ずっとここで働こうかとも思ったのですが、弁護士の夢が忘れられませんでした。会社を退職して法科大学院に進学し、弁護士をもう一度目指そうと決意したんです。
司法試験に合格するまでの間、今の事務所でアルバイトとして働きながら勉強を続けました。勉強が思うように進まず、「会社を辞めなければよかった」と後悔しそうになったこともありましたね。合格することができた時はもちろんうれしかったですが、ほっとした気持ちも大きかったです。
不倫の証拠は小さな積み重ねを大切に
ーー注力分野を教えてください。
借金問題や交通事故、労働トラブル、相続、刑事弁護など、幅広い分野を取り扱っていますが、特に浮気・不倫の慰謝料請求や離婚・男女問題を担当することが多いです。女性の弁護士に相談したいという方が多いので、私が担当する機会が増えますね。
不倫・浮気の慰謝料を請求したいというご相談をお受けした場合、肉体関係(不貞行為)があったことを証明できる証拠をお持ちかどうか確認しています。証拠がないと、慰謝料を請求しても大幅な減額を求められたり、支払いそのものを拒否されたりする可能性があるからです。
証拠をお持ちでない方には、どのような証拠を集めればよいかアドバイスしています。もし、ご自身で証拠を集めるのが難しい場合は、信頼できる探偵事務所を推薦することも可能です。配偶者の浮気・不倫を疑っている場合は、証拠をお持ちでなくてもまずご相談いただきたいです。
ーー不倫の証拠とは具体的にはどのような証拠が有効でしょうか。
たとえば、ラブホテルを出入りしている写真などは、不貞行為を証明する直接的な証拠になるでしょうが、簡単には手に入れられないと思います。そのため、間接的な証拠を積み重ねていくことが重要になります。たとえば、行き先を聞かされていないETCの履歴や、不可解なクレジットカードの明細などが考えられます。また、今まで行ったことがないコンビニのレシートなども証拠になるかもしれません。
まずは怪しいと思うものを見つけたら写真を撮るなど、証拠として残しておくことがポイントです。配偶者が休日に行き先も告げず出かける機会が急に増えたら、日付をメモしておくことも有効な証拠になる可能性があります。
証拠として撮影した写真や残したメモなどが、証拠として有効かどうか、実際に交渉の材料として相手方に提出するかなどは弁護士が判断しますので、気になる点があれば些細なことでも記録していただきたいです。
ーー浮気・不倫してしまい慰謝料を請求された方からのご相談はありますか。
慰謝料を請求されている方からのご相談も多くお受けしています。もし、実際は不貞行為がなかった、相手が独身だと嘘をついていた、浮気・不倫した時点で別居していて夫婦関係が破綻していたなどの事情があれば、慰謝料の支払いを拒否することができます。このような事情がなければ、慰謝料の減額を交渉します。
慰謝料を請求されれば動揺するでしょうし、浮気・不倫をしたことへの後ろめたさから、請求に応じようと考える方もいるかもしれません。しかし、不当に高額な請求には応じるべきではないので、請求額が高すぎると感じれば、弁護士に減額交渉を依頼することをおすすめします。
法的に正当な主張を認めてもらい、新しい生活のスタートを
ーー離婚問題ではどのような点が争いになる傾向がありますか。
財産分与で争うケースが多いです。預貯金のみなど、財産の中身が単純であれば、財産の分け方について争いになるケースは多くありません。一方、不動産など金額の大きな財産を夫婦の共同名義で購入していた場合や、多くの株式や暗号資産(仮想通貨)を保有しているなど、財産の内容が複雑になれば、分け方を巡って激しく対立する可能性があります。
当事者だけだと感情的になってしまい、話し合いがいつまでも終わらない可能性があるため、適切な財産の分け方を冷静に主張するためにも弁護士に相談してもよいでしょう。
また、親権を取りたいという相談を男性から受けることも多いです。主に母親が家事や育児をしている家庭が多いので、親権争いは母親が有利な傾向にあります。母親に育児をするのが困難な事情があるとか、離婚前から育児を父親がほとんどやっていたといった状況でなければ、父親が親権を獲得するのは簡単ではありません。
だからといって、父親は絶対に親権を獲得できないというわけではありません。親権を獲得できる可能性があるかを法的な視点から判断し、獲得するための方針を考えるためにも、まずは弁護士にご相談いただきたいです。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
トラブルに悩んでいる方は、そのトラブルが法律問題かどうかにかかわらず、まずは弁護士に相談していただきたいです。たとえば離婚問題という家族同士のナイーブな悩みは、他人には打ち明けにくいかもしれません。また、借金問題などは、相談するのが恥ずかしいと思う方もいるでしょう。
それでも勇気を出してご相談いただければ、弁護士が法的な視点から、解決までの道筋を考えて最善の選択肢をご提案します。もし法的な解決が難しい問題でも、弁護士が親身になってお話をお伺いするので、「悩みを聞いてもらえてスッキリした」と言われる方も多くいらっしゃいます。
トラブルに悩んでいる方は、弁護士が寄り添いながら解決までの道筋を一緒に考えますので、ぜひご相談ください。