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2019年02月14日 09時33分

コンビニ店員にセクハラ、笑顔対応は「同意」じゃない 市職員が逆転敗訴

コンビニ店員にセクハラ、笑顔対応は「同意」じゃない 市職員が逆転敗訴
画像はイメージ(syogo / PIXTA)

セクハラに笑顔で対応したら、同意していたとみなされるーー。こんな裁判所の判断が最高裁でひっくり返った。

セクハラ行為が原因で受けた停職6カ月の懲戒処分が重すぎるとして、50代の男性職員が市を訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は11月6日、「著しく妥当を欠くものであるとまではいえない」と判断し、男性側の請求を退けた。

1審・神戸地裁と2審・大阪高裁は「女性は終始笑顔で行動しており、渋々ながらも同意していたと認められる」などとし、男性の処分が重すぎると判断していた。

これについてネットでは「地裁高裁やばすぎる」「これは笑顔じゃなくて引きつり笑いやろ」などといったコメントが相次ぎ、原審の判断に驚きの声が集まっていた。

セクハラに笑顔で対応したら、裁判で「渋々ながらも同意」とみなされてしまうのだろうか。セクハラ問題に詳しい新村響子弁護士に聞いた。

●被害女性の心理状態を踏まえた妥当な判断

ーー今回の最高裁の判断について、評価をお願いします。

最高裁は、男性職員と被害女性は、コンビニエンスストアの客と店員の関係であることを踏まえ、女性が終始笑顔で行動し、男性職員による身体的接触に抵抗を示さなかったとしても、それは客とのトラブルを避けるためのものであったとみる余地があると指摘しています。

そのため、「身体的接触についての同意があった」として、これを男性職員に有利に評価することは相当でないと判断しました。

これは、セクハラを受けて内心では嫌だと思っていても、店員という立場上、客である加害男性に、明確に拒否反応を示すことが難しいという被害女性の心理状態を踏まえた妥当な判断であると思います。

●「同意があった」と評価、多々ある

ーー神戸地裁判決のような判断は、よくあるのでしょうか。

セクハラ事件では、被害女性が明確に拒否や抵抗をしていなかったり、逆に迎合的ともとれるような行動をしているとして、「同意があった」と評価されてしまうことは多々あります。

例えば、上司と二人で食事中に太ももを触られるなどのセクハラを受けた女性が、すぐに席を立たなかったこと、同一ルートで帰宅したこと、事後にお礼のメールを送っていることなどから、「セクハラ被害を受けたという申告は不自然である」とした地裁判決が高裁で覆った事案があります(P大学セクハラ事件・大阪高裁平成24年2月28日判決)。

また、管理職の男性が女性派遣社員に「俺のん、でかくて太いらしいねん」などと卑猥な言動を繰り返していたにもかかわらず、女性が明白な拒否の態度を示していなかったことについて、高裁が「男性は女性から許されていると勘違いをした」として男性の処分を重すぎると判断した例もあります。

この事案でも、最高裁は「職場におけるセクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくないと考えられる」として、判断を覆しました。(L館最高裁判決・最高裁平成27年2月26日判決)。

●「拒否されていないから嫌がっていない」は間違い

ーー性被害にあった人の心理状態について、どう考えたらいいのでしょうか 。

セクハラは、顧客から店員、上司から部下というように、上下関係や強い立場を利用して行われることが多いです。そのため、逆に被害女性は、自分の立場や人間関係の悪化などを懸念して、明確に抗議したり抵抗したりできないことが多々あります。

また、強姦や強制わいせつのような深刻な被害を受けている場合でも、身体的抵抗をする被害者は一部です。被害を受けて、身体と心が麻痺して動けなかったり、加害者を落ち着かせるために冷静に説得しようと試みたりする人がいます。

また、被害者の心理的な後遺症として、加害者に病的な憎悪を向ける人もいれば、逆に愛情や感謝の念を抱く人もいるという研究結果も知られています。

そのため、セクハラ問題を考えるときには、「拒否していないから、嫌がっていないだろう」「同意しているのだろう」という安易な捉え方は絶対にしてはならないといえます。

●事件の概要

判決によると、50代の男性職員は加古川市環境部でゴミの運搬を担当していた。2010年ごろから勤務時間中にコンビニを頻繁に利用するようになり、女性従業員に対し、手を握る、胸を触る、男性の裸の写真を見せる、胸元をのぞき込むといった行動をとったり、「乳硬いのう」「乳小さいのう」「制服の下、何つけとん」「胸が揺れとる。何カップや」といった発言をしたりしていた。

こうした言動を理由の一つとして、退職した別の女性従業員もいた。オーナーは頻繁に報告を受けていたが、商売に差しさわりがないよう、問題にすることは控えていた。

2014年9月30日、飲み物を買ってやるので選ぶように指示し、手を絡ませた。そして、指先を股間に軽く接触させた。女性はオーナーに報告し、オーナーは市に対して苦情を送信。市はオーナーから事情を聴き「処分を求めない」という意向を示されたことを理由に、男性職員への処分を見送っていたが、新聞などに報じられ、懲戒処分を行った。  

(弁護士ドットコムニュース)

新村 響子(にいむら・きょうこ)弁護士
東京弁護士会所属。日本労働弁護団事務局次長、東京都労働相談情報センター民間労働相談員。労働者側専門で労働事件を取り扱っており、マタハラ案件のほか解雇、残業代請求、降格、労災、セクハラなど多数の担当実績がある。
事務所名:旬報法律事務所
事務所URL:http://junpo.org/

この記事へのコメント

みっこちゃん。 60代以上 女性

裁判が簡単に済むように、気遣いせず、殴ったり、蹴ったりしちゃいましょう!

匿名ユーザー 女性 30代

暴力したら逆に不利になる。正当防衛が証明できなければ。

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まっちゃん 40代 男性

お客様は神様?コンビニには色んな神様がいらっしゃいます。トイレだけの神様、立ち読みだけの神様、酔っ払いの神様、怖い神様、中には感謝の言葉をいつてくれる神様もたまにいらっしゃいます。店は神様を選べばません。なので神様の声(クレーム)が怖いのです。神様の声が本部に行くとこちらが悪く無くとも怒られます。だから私は神様に対して謝ることにしています。騒ぎが大きくならない様に。だから私は他の店に行く時は神様にならない様に、買物させて頂く事に感謝するとともに対応してくれる店員さんを神様だと思う様にしています。

自分でお客様とか言ってる奴(思っている奴)は死ね 女性 60代以上

死神・疫病神・貧乏神など害になる神がいるのと同じですねw

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Ahoya 50代 男性

裁判の仕組 裁判官の資質そのものに問題の本質がある。
裁判官は権力を持っている どう裁こうが裁かれることはない 官僚と同じ・・・放置しておくと自然に社会常識から離れていくことになる。十把ひとからげにとらえることはできないが 本裁判も両裁判所・裁判官の社会常識のなさ あるいは裁判官が持つ独特の価値観(判断)からくるものであり 裁判のパワハラ化といってもいいかもしれない。自由心証主義という 言い換えれば好き勝手に裁くことができる環境の問題でもある。

両裁判官らの名前を公表し世間に晒し それなりの処分をしないといけないと思うし 民主主義国家(みんなで社会をよくしていこうという国)にはならないのではないか。同じことは嘘ばかりつく官僚・国会議員らにも言えることである。立ち上がるのは弁護士たちか それとも心ある国民か 今こそ。そのためにも弁護士の先生方には頑張って欲しい。これまた悪い弁護士も大勢いるが・・・   

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30代 女性

お客様からSNSを通じて、性的な内容を何度も送られて、体調を崩し、通院していますが、裁判して勝ったとしても費用がかかりすぎるし、最終的に慰謝料をもらったとしても私に得はないなどと弁護士さんに言われました。
警察の方はストーカー規制法に引っかからないか、模索中です。
このように、精神的にズタボロになっても泣き寝入りするしかないような、日本の法律や制度に憤りを感じています。
こんな事ぐらいと加害者に思わせ、また再犯に繋がるような甘々な法律、人権も何もありません。
悪い事をした人間が自分は悪くも何ともないと当たり前かのように普通に生活をし、被害を受けた側は心を病みズタボロになる。
正義なんて存在しないのですね。

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