「社会的に弱い立場の方の権利を守りたい」を信念に、労働者など保護に尽力
研究者の道から方向転換し、実務家を志す
ーー弁護士を目指した理由やきっかけを教えてください。
はじめは基礎法学の研究者を目指していて、大学卒業後はロースクールではなく、日本法制史の研究のために修士課程に進みました。そのうち、私自身は研究者に向いていないのではないかと思うようになりました。
色々な道を考えたのですが、研究者から実務家に方向転換しようと、弁護士を目指すことに決めました。
ーー当初は研究者を目指していたということは、大学生の頃から勉強漬けの生活だったのでしょうか。
そんなことはないです。大学では相撲部に入っていました。もともと相撲を見るのが好きだったのと、大学に入ったら何かスポーツをやりたいと思っていたので、当時強かった横綱・朝青龍関に憧れて入部しました。レベルは高くないですが、全国大会に出場したり、リーグ戦で敢闘賞をもらったり、毎日の稽古の成果は出せたと思います。
大学院では日本法制史の研究をしていました。日本の法律が現代社会のニーズや現状に合わないのはなぜかという疑問を解きたく、まずは日本法の歴史を辿ろうと思ったからです。大学院での研究は必ずしも今の仕事に直結していませんが、日本の法制度を理解するうえで役立っていると思います。
「法律を使って戦うことが、法律を学んだ者の使命」
ーー注力している分野を教えてください。
社会的に弱い立場にある労働者、交通事故の被害者や刑事事件の事件に注力しています。中でも多いのは労働事件ですね。
ーー労働者に注力する理由は?
世の中には、権利が守られていない方々がいます。私は、法律を学んでいる人は、社会的に弱い立場にある人々の権利擁護のために、法律を使って戦う使命があると思っています。社会的に弱い立場にある人の役に立ちたいという思いから、労働事件では労働者側、消費者事件では消費者側からの依頼しか受けない事務所に所属しています。
ーー労働分野ではどのような相談が多いのでしょうか?
過労死や過労自殺、パワハラやセクハラ、過重労働による精神疾患など、労災系の問題が多いですね。最近はコロナ禍でテレワークが増えたためか、時間外労働に関する相談は減っています。一方で、会社に解雇された方からの相談が増えました。
ーー過労死やハラスメントは解決が難しいのでしょうか?
全体としては、労働法をきちんと守ろうと意識する会社は増えていると感じていますが、依然としてパワハラや過重労働が横行している企業が多く存在します。解決には証拠をしっかりと集めることが大事で、事実関係が曖昧であったり、証拠が不十分な場合、労働者が納得できる解決が難しいケースもあります。依頼者の方と証拠を集めることもしばしばです。
事件を伝えることが社会への警鐘
ーーハラスメントや過重労働で悩んでいる労働者はどうすればいいでしょうか?
早めに相談することが大事です。1人で悩みを抱えるのではなく、弁護士でも構いませんし、友人や家族に相談することを強くお勧めします。
証拠集めも心がけてください。労働時間を裏づけるタイムカードや業務日誌、音声などの証拠は、事実を裏付けるのに大変重要な資料ですので、悩みを抱えている方は訴訟するかを問わず、証拠を集めることが肝心です。
労働者個人はどうしても弱い立場にあるので、労働組合を通じて権利を主張することも一つの手です。
ーー先生は過労死やハラスメントが今後増えないためにどのような活動をしていますか?
社会が変わるためにはまず、現実に起こっていることを世間に伝えて、知ってもらうことが大事だと思います。私は過労死事件を解決した際、遺族の了承を得て、事件の内容を世間に発信しています。記者会見やメディアの取材などを通じ、社会に警鐘を鳴らすことで改善されることがあると思っています。
厚生労働省が主催する啓発事業にも取り組んでいます。若い世代にもぜひ労働法や労働問題について知ってもらいたいので、定期的に学校へ行き講演をしています。そして、このような活動を積極的にSNSで発信し、将来の被害防止に努めています。
ーー依頼者とのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?
まずは時間をかけることです。依頼者のお話を否定せず受け入れて、信頼関係を築き上げることが大事だと思います。特に過労死事件の遺族などは、辛い気持ちを抱えて来られるので、最初の相談では、できるだけ長く時間を取るようにしています。
ーー休日はどのように過ごされていますか?
以前は母校の相撲部の稽古に顔を出して後輩を指導していたのですが、今は家庭の事情でお休みですね。
国際情勢やコロナの影響で、海外への出張や旅行が立て続けに中止になってしまったので、いつか家族で海外旅行をするのが今の夢です。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
いわゆる町弁として様々な分野の案件を担当させていただいているので、これまで通り、幅広く対応できる弁護士でありたいと思います。その中でも、刑事事件の案件は増やしたいと思います。警察に逮捕された方は人権を無視した扱いを受けることがありますので、そのような不当な扱いを是正したいと考えています。
そして労働事件などの社会問題に関する情報発信や啓発活動も、引き続き行いたいと思います。
ーー法律トラブルを抱えて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
多くの弁護士が「気軽にご相談ください」と言うのは、心の底から依頼者の悩み解決を望んでいるからです。相談していただかないと法的な問題の発見に繋がらず、みなさんを悩ませるトラブルの解決にも繋がりません。
まずは1回、気軽に弁護士にご連絡ください。