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クラウドフレアに「発信者情報開示」命令、海賊版サイト「ブロッキング」に影響も
東京地裁(soraneko/PIXTA)

クラウドフレアに「発信者情報開示」命令、海賊版サイト「ブロッキング」に影響も

東京地裁は10月9日、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)などのサービスを提供する米クラウドフレア(Cloudflare, Inc.)に対して、キャッシュファイル削除と発信者情報開示を命じる仮処分を決定した。クラウドフレアをめぐる判断は国内初とみられる。担当した山岡裕明弁護士は「海賊版サイトに対する突破口につながる」と話している。

クラウドフレアは、大量のアクセスを効率よくさばくための配信サービスを運営している米カリフォルニア州の企業であり、元のファイルではなく、キャッシュファイルを保有している。多くの海賊版サイトや掲示板サイトも、このサービスを利用しており、ユーザーは元のファイルではなく、キャッシュファイルを閲覧している。

クラフドフレアが裁判外での削除や開示をもとめる請求に応じない中、山岡弁護士は今年7月、クラウドフレアの配信設備が国内にあることに着目して、東京地裁に仮処分を申し立てた。クラウドフレア側は「元のファイルを保有しているわけではなく、削除権限を有しない」などとして、申立てを取り下げるようもとめていたという。

海賊版サイトをめぐっては、現在、知的財産戦略本部のタスクフォースで対策が議論されているが、ブロッキング(アクセス遮断)について意見が真っ向から対立している。山岡弁護士は「今回の決定を受けて、クラウドフレアが、キャッシュファイルを削除したり、発信者情報を開示したりすれば、ブロッキングの議論に影響が出るだろう。クラウドフレアの今後の対応を注視する必要がある」と意義を語った。

(弁護士ドットコムニュース)

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