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2018年03月23日 09時39分

モト冬樹さん、カラスに襲われたスズメを「違法飼育」して物議、なぜダメなのか?

モト冬樹さん、カラスに襲われたスズメを「違法飼育」して物議、なぜダメなのか?
モト冬樹さんブログより

タレントのモト冬樹さん(66)が、保護したスズメ1羽を自宅で飼育していることをブログで報告し、物議を醸している。

モトさんは昨年6月のブログでスズメを保護したことを明らかにした。まだ飛べない状態だった。巣から落ちてしまって、カラスに襲われそうになった可能性があるという。その後もブログでたびたび飼育の状況を報告しており、愛情をもって育てている様子がうかがえる。

ただ、スズメを無許可で飼育することは違法。週刊女性によると、モトさんが東京都の担当者に相談したところ、違法捕獲だと注意を受けたという。モトさんは週刊女性の取材に対して、「元気になっても自分でエサも取れない、飛ぶこともままならない。犬や猫にも寄っていくから、放した瞬間に死ぬのはわかっているじゃない」と反発している。

3月13日放送のテレビ朝日系「グッド!モーニング」でモトさんは、東京都から違法捕獲であることを知らせる通知が来たことも明らかにしている。

なぜ、野生のスズメを保護して自分で育ててはいけないのか。鈴木智洋弁護士に聞いた。

●生態系に影響を与えないよう、禁止している

そもそも、どんなルールになっているのか。

「一般的に、野鳥を保護して自宅などで飼育することは、『鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)』に違反する可能性があります。鳥獣保護法は、無許可で野鳥などの鳥獣を捕獲することなどを一般的に禁止しています(同法8条)。

そのため、野鳥を自宅で飼育しようとして、無許可で野鳥を捕獲することは、この規定に反する違法な行為ということになります。

違反した者には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられることもあります(同法83条1項1号)」

●保護することで自然や生態系の在り方を歪めてしまう可能性がある

モトさんは保護できないことの理不尽さを指摘しているが、そもそもなぜそのようなルールになっているのか。

「鳥獣保護法は、単に動物を愛護するという観点ではなく、鳥獣の保護を行うこと等によって生物の多様性を確保したり、自然や生態系を維持したりするという観点から定められた法律です。

野生の動物は自然の一部を構成し、生態系の一翼を担っています。ですから、その野生動物を捕獲したり飼育したりすると、人間が自然や生態系の在り方に影響を与えてしまい、自然や生態系の在り方を歪めてしまうという可能性がありますので、それを防ぐために、鳥獣保護法は原則的に野生動物の保護等を禁止しているということになります」

そうであれば、適法になるケースはない、ということか。

「一応、都道府県知事等の許可を得れば適法に捕獲することができるとされています。

ただし、『愛玩のための飼養』の目的で捕獲することは、密猟を助長する恐れがあるため、原則として許可しない運用が採られています。

特段の事情でもない限り、許可は出ないと考えて良いと思います。ですから、適法に野鳥を捕獲し、自宅で飼育することはかなり難しいでしょう」

●ケガをしていても保護できない?

ケガをしたり、親からはぐれたりしていても保護することができないのか。

「鳥獣保護法は、ケガをしている鳥、親からはぐれたヒナなどを保護する目的であれば、捕獲することができるとしています。

ただし、その場合であっても都道府県知事等の許可を得ることが必要とされていますので、その許可を得ずに捕獲した場合は、やはり鳥獣保護法8条に違反することになります。

そのため、ケガをしている鳥や親からはぐれたヒナなどを保護したいと考える場合であっても、許可が必要になります。

違法捕獲と誤解されないためにも、保護をする前に各都道府県の野生鳥獣担当機関に連絡をして指示を仰ぐようにしましょう」

●心情的には理解できたとしても…

今回のモトさんの対応についてはどう考えるか。

「今回のケースについても、報道されている内容を前提とすると、モトさんは、傷ついたスズメを保護したということのようですので、保護すること自体が不可能ということではないかもしれません。

しかしながら、その場合であっても、都道府県知事等の許可を得ることが必要とされています。そのため、モトさんがその許可等を得ることなく捕獲したということであれば、鳥獣保護法に違反するという判断がされる可能性が高いように思われます。

心情としては、傷ついたスズメなどを保護したいという思いを持つこと自体は理解できるところでありますし、保護したスズメを飼育し続けた結果、そのスズメに対して愛着がわくということもあり得ることだとは思います。

しかしながら、鳥獣保護法は、生態系の維持等といった重要な目的を達成するために制定されている法律ですので、やはり、定められたルールに則って対応することが必要だと思われます」

(弁護士ドットコムニュース)

専門は労働法(使用者側限定)、行政法(行政側限定)、動物法・ペット法。動物法・ペット法に関しては、ペット法学会に所属する他、国立大学法人岐阜大学応用生物科学部獣医学課程の客員准教授も務めている
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