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転売サイトでチケット購入、コンサートがまさかの中止に...転売でも払い戻しは可能?
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転売サイトでチケット購入、コンサートがまさかの中止に...転売でも払い戻しは可能?

転売サイトで買ったチケットは、コンサートが中止になった場合などに払い戻しができるのだろうかーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーにこんな質問が寄せられた。

投稿者は、どうしても行きたいコンサートのチケットを転売サイトで買ったが、公演が2日前に中止になってしまったという。転売サイトに問い合わせたところ、売り手との間で解決してくれという話になったそうだ。

しかし、売り手とは連絡がつかず、チケットの詳細にも公演中止の際の返金については記載がないという。

仮に売り手と連絡がついた場合、返金を求めることはできるのか。また、転売サイトで購入したチケットは名義が異なることになるが、主催者に返金を求めることはできないのだろうか。正木健司弁護士に聞いた。

●チケットの売り手に依頼して返金請求してもらうしかない

仮に売り手と連絡がついた場合、返金を求めることができるのか。

「転売サイトにおけるチケットの売り手と買い手の間には、契約の内容として、公演が中止になった場合の返金に関する取り決めはないと思われますので、チケットの買い手は原則としてチケットの売り手に対して返金を求めることはできないと考えられます。

もっとも、チケットの売り手が任意に公演の主催者に連絡をとり、主催者に返金を求めてくれるのであれば、チケットの買い手としても返金を受けられる可能性はあるといえます」

転売サイトで購入したチケットは名義が異なることになるが、公演の主催者に返金を求めることはできるのか。

「まず、主催者がそもそもチケットの転売を禁止していた場合は、基本的に返金を求めることは難しいといわざるをえません。

次に、主催者がチケットの転売を禁止していなかった場合は、チケットの買い手としては主催者に対し、債務不履行に基づき損害賠償請求を求めることが考えられますが、そもそも主催者と契約関係にあるのはチケットの名義人である売り手であり、転売サイトでチケットを購入した人と主催者の間には契約関係がないというべきですから、これも基本的に難しいと考えられます。

したがって、この場合も、チケットの買い手としては、主催者と契約関係にある売り手に依頼して、主催者に対して返金請求してもらうのが原則であると考えます」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

正木 健司
正木 健司(まさき けんじ)弁護士 弁護士法人名城法律事務所
先物取引、証券取引、デリバティブ取引などの投資被害事件、金融商品取引訴訟を多数取り扱う。名古屋投資被害弁護士研究会代表。先物取引被害全国研究会幹事。全国証券問題研究会幹事。愛知大学法科大学院非常勤講師(消費者法)。ケフィア事業振興会被害東海弁護団事務局長。K&A投資被害弁護団事務局長。

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