アマゾン「中傷レビュー」投稿者の発信者情報開示を命じる判決

アマゾンジャパン株式会社
2016年04月11日 11時45分
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アマゾンの書籍レビュー欄に「中傷コメント」を書き込んだユーザーは誰なのか――。東京都内のNPO法人が発信者情報の開示を求めて、運営会社のアマゾンジャパンを相手取った訴訟で、東京地裁は3月25日、同社に対して、ユーザーのIPアドレスのほか、氏名や住所、メールアドレスの開示を命じる判決を下した。判決は4月8日、確定した。

通常、匿名のユーザーを特定するには、サイト運営会社を相手に、IPアドレス開示を求める仮処分を申請する。裁判所の命令にもとづいてIPアドレス開示を受けたあと、さらに、プロバイダに対して、氏名や住所などの情報を開示するよう求める。このように「2段階」の手続きが必要だったため、中傷を書き込まれた側にとって、発信者を特定するにあたって期間と費用がかさんでいた。

今回は、サイト運営会社に対する1回の手続きで、IPアドレスだけでなく、氏名や住所、メールアドレスが開示されることになった。原告代理人の一人である山岡裕明弁護士(法律事務所クロス)は、弁護士ドットコムニュースの取材に「確認できるかぎり初めてのケース。意義のある判決だと考えています」と語った。

●「アマゾンがアカウント情報を保有している」

判決文などによると、匿名ユーザーは2013年夏ごろ、アマゾンに掲載されたある書籍のレビュー欄に書き込みをおこなった。この書籍の著者が所属している団体は2015年、匿名ユーザーの書き込みで名誉が傷つけられたとして、アマゾンジャパンを相手取り、発信者情報開示の訴訟を起こした。

どうして、通常の2段階の手続きを踏まなくても氏名や住所などの開示が命じられたのか。

山岡弁護士は「アマゾンは、単にIPアドレスを保有しているだけでなく、通販サイトという特殊性から、アカウント情報として一定の正確性を期待できるユーザー情報(氏名、住所、メールアドレス)も保有しているからです。このため、IPアドレスの開示だけではなく発信者情報の開示を求め、それが認められました」と話した。

この判決の影響について、山岡弁護士は「少なくとも、アマゾンに関しては1度の手続きでの権利救済の可能性が認められました。アマゾンのレビュー欄が荒らされて、傷つけられるという人が増えているなかで、迅速な被害救済につながると思います」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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