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2016年03月16日 15時42分

TVコメンテイター「ショーンK」さん活動自粛 「学歴詐称」は軽犯罪法違反になる?

TVコメンテイター「ショーンK」さん活動自粛 「学歴詐称」は軽犯罪法違反になる?
ショーン・マクアードル川上さんの謝罪文は事務所のホームページ上に掲載されている

テレビのコメンテイターとして有名な「ショーンK」こと、経営コンサルタントのショーン・マクアードル川上さんの学歴をめぐって、週刊文春が「詐称疑惑」を報じた。それを受けて、ショーンさんは3月15日、ホームページに掲載していたプロフィールの内容について「間違いがあった」と認めた。また、今春から司会をつとめる予定だったテレビ番組の出演辞退を発表した。

所属する事務所のホームページで、ショーンさんは「私のホームページ上の『英文』履歴書末尾に一定期間記載されていた内容に間違いがあり(責任の一端は私にあるのですが)本情報が各方面に引用されることで各関係者様に大変な誤解とご迷惑をおかけしておりました」と説明した。

ショーンさんはこれまで、米テンプル大学を卒業し、ハーバード大学ビジネススクールでMBAを取得したとしていた。だが、「海外を遊学後、大学には戻りませんでした」「経営大学院についても学生、一般社会人にも公開されているセミナーを聴講した程度ですので、学士を含め学位、また修了書が発行される類のプログラムへの参加は一切ございません」として、学歴に関する記載が事実と違っていたことを認めた。

ショーンさんは「これまで私は、経営コンサルタントとして活動している上で、特に自分の学歴について影響がなかったため、正式に公開することはしてきませんでした」と釈明している。わざと「学歴詐称」していたかどうかなどは不明だが、法的にはどんな問題があるのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

●学位詐称は「軽犯罪法違反」にあたる

「学位の詐称は、軽犯罪法違反にあたります。ここでの学位は外国の学位も含みます」

冨本弁護士はこう述べる。たしかに、軽犯罪法1条15号をみると、「学位」を詐称した者は「拘留または科料に処する」と定められている。ショーンさんの場合は、どうなるのだろうか。

「学位とは、専門の学問分野における卓越した能力や業績に対して与えられる称号です。

大学卒業も『学士』という学位ですし、MBA(Master of Business Administration)は経営学修士の修士課程の修了者に与えられる学位です。

もし、テンプル大学卒やMBA取得などと『学歴詐称』していたのであれば、軽犯罪法違反にあたるでしょう」

プロフィール情報として公表されていた「学歴」が事実と違っていたとすると、ショーンさんがテレビ番組のコメンテイターとして起用されることもなかった可能性があるが・・・。

「学歴詐称があったとしても、コメンテーターの仕事でコメント料(出演料)を得たことについては、原則として犯罪となりません。学歴だけでコメンテーターになっているわけでないでしょうし、コメント料はコメントの対価であり、学位の対価ではないからです。

ただし、ことさら学位を強調してコメント料をつり上げていたような場合、学歴詐称によってコメント料をだまし取ったと評価できますので、詐欺罪になる可能性があります」

●「学歴詐称者」はコメンテイターとして不適格だが・・・

急きょ番組出演を辞退されたテレビ局は、大きな損失を被った可能性がある。民事的な責任は問われないのだろうか。

「テレビ局側としては、ショーンさんとの契約を将来に向かって打ち切ることができると考えます。

コメンテーターは、テレビやラジオで、社会での出来事に対し自分の意見を発信する人です。学歴を詐称するような人はコメンテーターとしてふさわしくなく、学歴詐称の疑惑発覚によって、それ以降コメンテーターとして仕事が事実上できなくなるからです」

テレビ局側は、すでにショーンさんに支払ったコメント料(出演料)を取り戻したり、損害賠償を求めることはできるのだろうか。

「原則として、返還請求は認められないと考えます。コメント料がコメントに対する対価であり、学歴に対する対価ではないからです。

また、テレビ局側としては、『学歴詐称』という不法行為によって、番組に対する信用が失墜したとして損害賠償を請求することも考えられます。しかし、損害の発生、損害の算定、因果関係の立証が難しく、認められないのではないかと考えます。

ただし、ことさら学位を主張してコメント料をつり上げていたような場合、増額分について損害賠償請求することが可能だと考えます。このような場合、『学歴詐称』という不法行為によって、増額分の損害が発生しているのが明らかだと考えられるからです」

冨本弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

冨本 和男弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
所在エリア:
  1. 東京
  2. 千代田区
事務所URL:http://www.aska-law.jp
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