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匿名での誹謗中傷、削除は可能?ネットのトラブル対処する方法

「地獄に墜ちろ」「死んだらいいのに」。もしあなたが、インターネット上で名指しで誹謗中傷されたらどうしますか。

正体不明の匿名アカウントからインターネット上で中傷されたら、相手もわからないだけに恐ろしさも増します。最近よく耳にするインターネット上での個人に対する匿名の誹謗中傷被害。このような誹謗中傷の被害を実際に受けている方から、どう対処すればいいのか、法的な措置は可能なのかどうかについての相談が寄せられました。

もし、インターネット上で誹謗中傷されたら書き込みの削除や犯人の特定は可能なのか。インターネット情報の削除問題に取り組む清水陽平弁護士にお話を聞きました。

 

Q. 誹謗中傷をしてくる犯人を特定できますか?

インターネットの掲示板で、フルネームをあげられて、誹謗中傷を受けています。

内容は「地獄に堕ちろ」「死んだらいいのに」というものです。しかも私は、名前が珍しいため、ネットで検索すると、その誹謗中傷が検索結果の上位に出てきてしまうのです。

犯人は、私を恨んでいる同僚ではないかと思っています。書き込みが始まってから、何を書かれるかわからない恐ろしさから、彼に対して注意したり指導することができません。ただ、彼が犯人だという証拠もないのですが・・・。

被害者であるはずなのに、相手がわからず、対応に困っています。

書き込みを削除し、犯人を特定するために、私は何ができるのでしょうか?

A.  「削除」と「特定」を求めて対応できる

ネット上の対処としては、「削除」と「特定」があり得ます。

いずれの対応をとるためにも、権利侵害を証明しなければなりません。そのためには、次の3つを満たしている必要があります。

1)その書込みが「現実の自分」に対してされているものかが分かること
2)書込み内容が名誉権やプライバシー権、名誉感情等を侵害するものであること
3)侵害について違法性がないといえる事情がないこと

ご相談のケースでは、名前を出されており、しかも珍しい名前ということなので、1)は満たすでしょう。

また、「地獄に堕ちろ」「死んだらいいのに」というものは、少なくとも名誉感情を害するものといえそうで、2)も満たすでしょう。

そして、罵詈雑言といえるものなので、3)違法性がないといえる事情もなさそうです。

したがって、「削除」と「特定」を求めて、対応していくことは可能だろうと判断できます。

では、どのように「削除」をしていけば良いのでしょうか?

削除するためには、そのサイトにウェブフォームなどの問い合わせ窓口があれば、そこから削除を依頼したり、「送信防止措置依頼書」を作り、掲載サイトの運営者やサーバー会社に送ることになります。

削除されるまでの時間はサイト次第としか言えないですが、早ければ、即日対応してくれる場合もあります。通常は10日程度、遅いところだと1か月程度が一つの目安です。

なお、弁護士に依頼する場合の費用は、どのようなサイトなのか、どのくらい書かれているのかといった事情にもよってくるので一概に言えませんが、5~20万円程度かかるのではないかと思います。

次に、相手を特定するためには通常、少なくとも2つのステップを経る必要があります。 この手続きを「発信者情報開示請求」といいます。

1)サイト側から投稿時のIPアドレスとタイムスタンプ(サーバ接続時間)の情報を開示してもらう
2)開示されたIPアドレス等の情報から使われたプロバイダが分かったら、プロバイダに対して契約者の情報を開示してもらう

請求にあたっては、「発信者情報開示請求書」という書面を作って送る必要があります。

「送信防止措置依頼書」も「発信者情報開示請求書」も、以下のサイトに雛形などがあるので参照するとよいでしょう。(→http://www.isplaw.jp/)

ただ、発信者情報開示請求については、基本的には裁判を使わないと情報を開示してくれません。

裁判で開示請求をする場合、前者の開示請求について1~2か月程度、後者について4~7か月程度かかります。弁護士に依頼する場合には、50万円程度はかかると思った方がよいです。

取材協力弁護士 清水 陽平 (しみず ようへい)弁護士
インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、Twitterに対する開示請求、Facebookに対する開示請求について、ともに日本第1号事案を担当。2015年6月10日「サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル(弘文堂)」を出版。
法律事務所アルシエン

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