
「皆様の暮らし・経営のホームコンサルタント」として、相談者や依頼者に寄り添いたい
民事・家事事件のほか、企業の海外取引など国際的な案件に幅広く対応
ーー弁護士を目指したきっかけや理由について教えてください。
中学生の頃に見たテレビドラマ「最後の弁護人」がきっかけです。そのドラマでは、無実の人が裁判にかけられて不当な罪に問われるといった勧善懲悪型のストーリーだけでなく、確かに罪は犯したのだけれど、そこに至るまでにはやむを得ない事情があるといった情状弁護のストーリーなどが扱われており、弁護士の仕事の奥深さを扱っていたように記憶しています。
私は、そのドラマを通じて、多面性を持つ一人ひとりの人間に深く関わっていく弁護士という職業に憧れを抱くようになりました。
ーーどのような学生時代を過ごしましたか?
その後、私は法学部一本に志望を定め、中央大学法学部に入学しました。同大学は、伝統的に弁護士や裁判官などの法律家の道に進む人が多く、私の学年にも入学当初から「研究室」と呼ばれる司法試験合格を目指す団体に所属して、頑張っている人が多くいました。しかし、若かった私には、そうした風潮に染まることに抵抗があり、「今、大学時代にしかできないこと」をやりたいと思っていました。そして、文学や哲学の本を読み漁ったり、学外の講演会に通ったり、密かにブログを書いたりしていました。今思えば中二病に染まっていたように思います(笑)。
ちなみに、その一環として始めたのが語学の勉強です。私は、特に中国語を学び、中国への短期留学もしました。現在は勉強を怠ってしまっているため、中国語能力は相当に落ちてしまいましたが、大学時代はいつか中国と関わる仕事がしたいと思い、日々、熱心に勉強していました。
ーー注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
現在は主に3つの注力分野を定めています。
1つ目は企業法務。2つ目は国際法務で、企業の海外取引の案件のほか、日本で暮らす外国人の民事事件。3つ目は倒産法務、つまり企業の破産や事業再生に関する事件です。
まず企業法務に注力している理由としては、弁護士としての経験を積む中で、単体の案件への関与にとどまるよりも、継続的に特定の企業と関わり、その歴史や企業文化を知った上できめ細やかな対応ができるようになりたいと思ったからです。企業によって案件の傾向は様々です。労働案件が多い企業もあれば、知的財産に関する案件が多いところもあります。それぞれ専門分野の経験を積めるので、弁護士としての能力を向上させることができます。
2つ目の国際法務に注力しているのは、現在の弁護士法人を開くときに、従来の分野に加えて企業の海外取引や外国人の民事事件を一つの柱にしたいと思ったことがきっかけです。学生時代から中国やアジア諸国に関心があったことと、語学の勉強に取り組んできた経験を活かせる分野でもあるので、注力するようになりました。
3つ目の倒産法務に注力しているのは、過去に比較的大きな倒産事件を経験したことがきっかけです。この事件を手がけたとき、当該会社の経営者だけではなく、従業員やその家族、取引先といった利害関係者全員の権利、利益、意見などを調整しつつ、最終的に清算に持っていくという仕事はとても難しいことを実感しました。しかし、だからこそやりがいもあり、深めてみたいと思いました。
依頼者に寄り添い、ともに問題を解決
ーー弁護士として活動してきた中で印象的だったエピソードを教えてください。
近年のもので一つ挙げるとしたら、香港と日本の会社との間で起きた売掛金未収の案件です。私は香港籍の会社の代理人でした。
その案件は、私の依頼者である香港籍の会社が、日本籍の会社に対して衣料品を販売していたのですが、日本籍の会社は商品の中に不良品が混入していたことを理由に、代金全額の支払いをストップしてしまいました。香港籍の会社としては、商品の製造を委託している工場に代金を支払わなければならないため、早期の解決が望まれる案件でした。
ほどなくして日本籍の会社にも代理人弁護士が入り、弁護士同士で金額及び条件の交渉が始まりました。そして、結果として10日ほどの間に綿密な交渉を重ね、最終的な合意書を締結し、代金の支払いを受けました。企業法務のスピードと交渉の醍醐味を知った案件の一つです。
ーー仕事をするときに心がけていることは何ですか?
依頼者に寄り添うことです。私は、弁護士には単に法律問題を解決することだけが求められているわけではないと考えています。依頼者を様々な面でサポートし、共に納得のいく解決過程を辿ることが「代理人」としての本分だと考えています。
ーー社会で現在起きている案件や事件で、気になっている・今後手がけてみたいことはありますか?
あえて挙げれば、今は、YouTubeやSNSなどを通じて独自のビジネスを成功させる個人が数多く登場するようになっています。起業の新しい形だと思うのですが、そうした方々を法律面から支援していくことができたら非常に面白いなと思います。
問題点が明確でなくてもまずは相談を
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
家族で出かけたり、家で過ごしたりすることが多いです。
趣味は読書です。家での休息時間や電車での通勤中などに、ジャンル問わず読んでいます。仕事柄、交渉術やロジカルシンキングの本などを多く読んできましたが、平野啓一郎さんのような好きな作家さんの小説も欠かさず読んでいます。
ーー今後の展望を教えてください。
今まではプレーヤーとして私が自ら動くことが多かったのですが、今後はできるだけ他のメンバーに仕事を割り振り、自分はマネジメントする側にシフトしていきたいと思っています。
また、今手がけている企業法務、国際法務、倒産法務の3分野の専門性をより深めていきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方にメッセージをお願いします。
悩みを抱えている方の中には、何が問題の本質なのかがはっきりわからず、漠然と不安を感じている方も多いと思います。問題を整理するためにも、まずは法律の専門家である弁護士に、気軽に相談してほしいです。
精神面でのサポートも含めて、皆さんが抱えている問題を解決するための支援をしたいと思っています。ためらわずにコンタクトしてください。