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生ガキを食べてノロウイルスの「食中毒」 提供した飲食店の責任は?
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生ガキを食べてノロウイルスの「食中毒」 提供した飲食店の責任は?

もうすぐ海の幸、カキのシーズンがやってくる。ネット上では「カキシーズンが待ち遠しい」「食べ放題生行きたいわ」など、待ち望む声が多数見られるが、「食中毒になるイメージが強い」とノロウィルスによる食中毒への注意を促す声もある。

過去のニュースを調べてみると、カキの加熱が不十分で食中毒になったことで、飲食店やホテルが営業停止処分を受けたケースが散見される。ただ、大学生のマサシさんは「生ガキは食中毒になっても仕方ないというイメージがあるけれど、それでも店の責任が問われるんだろうか」と疑問を抱いている。

店で生ガキを食べて食中毒になった場合、店の責任が問われるケースはあるのだろうか。石川直基弁護士に聞いた。

●ノロウイルス感染が判明した場合、営業停止の可能性も

「食品衛生法では、病原微生物に汚染されて、人の健康を損なうおそれのあるものは、販売等が禁止されています。

ノロウイルスは、10~100個程度のわずかなウイルス粒子で発症しますが、十分な加熱処理をすれば、安全に食べることができます。ですから、生の段階でノロウイルスに汚染されていても、十分に加熱したカキを提供していれば、問題はありません」

では、生の場合はどうだろうか。

「生食用の場合は、ノロウイルスに汚染されている場合、人の健康を損なうおそれがあると考えられ、提供が禁止されます。

ですから、生食用に提供していたカキがノロウィルスに感染していたことが判明した場合、飲食店の責任が問われる可能性があります。食べた客に健康被害が生じた場合は、食品衛生法に基づき、営業停止等の行政処分が課されることになるでしょう。

また、ノロウイルスに汚染された生食用のカキは、通常有すべき安全性・品質を欠いているので、瑕疵があると考えられます。

そこで、提供した飲食店は民事上、瑕疵担保責任に基づき、食中毒に基づく損害を賠償する責任も負うと考えられます。

ただ、もし客が、加熱すべきカキをあえて生食してしまった場合は、飲食店に責任を問うことはできないでしょう」

石川弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

石川 直基
石川 直基(いしかわ なおき)弁護士 米田総合法律事務所
平成10年弁護士登録。民事・商事・家事・行政・刑事各分野を取り扱うほか、雪印乳業食中毒事件、茶のしずく石鹸事件などの消費者製品被害弁護団に参加。日弁連消費者問題対策委員会委員として食品安全・表示問題、景品表示法等の表示規制の研究、立法提言に取り組んでいる。

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