小中学生から、かつてシール交換を楽しんだ大人世代まで、幅広い層で「シール」が爆発的なブームとなっている。
立体的で透明感のあるシールには熱狂的なファンがついており、なかでも「ボンボンドロップシール」などは転売の対象になるほどの人気だ。販売に制限が設けられる商品もある。
そんな盛り上がりとは裏腹に、子どもを持つ一部の親や医師からは、乳幼児が誤って飲み込むリスクを懸念する声が上がっている。
東京都が実施したアンケート調査(2020年度)によると、生後6カ月以上から小学校入学前の6歳児が異物を誤飲した、または誤飲しそうになった事故のうち、最も多かった品目は「シール」(583件)だった。
東京都の「誤飲等による乳幼児の危険」に関する調査でも、玩具の中でシールが誤飲事故の最多品目となっている。
●親たち「誤飲が怖いから子どもが大きくなるまで見せない」
平成レトロの流行も背景とした人気の立体的なシールは、未就学の幼児に買い与える親もいることから、多くの商品には誤飲への注意表示がされている。
それでも、SNS上では、子どもの誤飲をおそれた親たちから「誤飲が怖いから大きくなるまで見せない」「まさに誤飲しそうなサイズ感。窒息するには十分なサイズ感」といった警戒の声が相次いでいる。
●医師のアカウントも「誤飲・誤嚥リスクがある」と警告
育児世代向けの発信をSNSで続け、「相川晴」(@halproject00)として活動する医師は1月14日、Xで「かわいいシールが流行ってますが、小さいお子さんがいるご家庭は、管理に是非お気をつけください。誤飲・誤嚥リスクがあります」と注意を呼びかけた。
相川さんは、実際の誤飲の事例として、日本小児科学会のレポート(傷害速報)も紹介している。
●シール飲み込んだ女児が全身麻酔で処置を受けたケースも
同レポートでは、7カ月の女児が、縦横1センチのシールを飲み込み、全身麻酔下で除去する処置を受けた2015年3月の事例が報告されている。
また、過去には4歳の女児が、厚さ2ミリ、横径7ミリの立体型プラスチックシールを誤飲し、同様に全身麻酔下で摘出されたケースもあったという。
レポートでは、親の注意だけで誤飲事故を防ぐことはできないと指摘している。
東京都の調査でも、誤飲または誤飲未遂の件数はシールが最多で、紙、飴がそれに続いている。1歳女児の事例として「貼って剥がせるシールに食べ物のイラストが書いてあり、食いしん坊の娘が口に入れて食べてしまった」というケースも紹介されている。
●「自戒込めて警告」1歳未満でも予想外の行動
shimi / PIXTA(ピクスタ)
Xでは、実体験をもとに注意を呼びかける投稿もある。
あるアカウントは「うちの子は1歳未満のころに貼ってあったシールを生えてきた乳歯ではぎ取って口に」と誤飲未遂の出来事を振り返った。
おしり拭きのケースのふたにシールを貼ってデコレーションをしていたところ、それを子どもが剥ぎ取って口にしたという。
「私自身がバカだったと思う。自戒を込めての警告」
「あのシールの類は絶対なんでも口に入れちゃう子に見せちゃダメ、近くで使ってもダメ」
自分でシールを買える年齢になったきょうだいがいる家庭も注意が必要だ。友だちとの交換で粘着力が弱まったシールが床に落ち、それを乳幼児が口にする可能性も考えられる。