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コンビニで決済したフリして「詐欺罪」で逮捕 なぜ「万引き」ではなかった?
画像はイメージです(buritora / PIXTA)

コンビニで決済したフリして「詐欺罪」で逮捕 なぜ「万引き」ではなかった?

コンビニで決済をしたふりをして商品をだまし取ったとして、埼玉県警が7月1日、千葉県の私立小学校の男性教諭を詐欺の疑いで逮捕したと報じられました。

報道によると、男性教諭は今年1月12日、さいたま市浦和区のコンビニで、QRコード決済をする際、女性店員に話しかけながら決済が完了したと見せかけて、イヤホンなどを騙し取った疑いが持たれています。

商品をこっそり持ち去ることは万引き、つまり窃盗罪とも思えます。今回はなぜ、窃盗罪ではなく「詐欺罪」での逮捕となったのでしょうか。簡単に解説します。

●「万引き」と「詐欺」はどこが違うの?

「万引き」は法律上、窃盗罪(刑法235条、10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)にあたります。

窃盗罪は、他人の物を、持ち主の意思に反して奪う犯罪です。簡単にいえば「こっそり取る」ような場合に成立します。

一方の詐欺罪(刑法246条1項、10年以下の拘禁刑)は、「人を欺いて財物を交付させた」場合に成立します。相手をだまして、相手自身に物を渡させる犯罪です。

両者を分けるポイントは、被害者が自分の意思で物を渡す「交付行為」があったかどうかです。

●なぜ本件は「詐欺」なの?

本件では、女性店員が「支払いは済んだ」と勘違いしていたとみられます。

その勘違いのもとで、店員は男性が商品を持ち去るのを許したことになります。

つまり、店員がだまされた結果、自分の意思で、商品を持っていくことを許した(交付した)といえ、そのため、詐欺罪での逮捕になったと考えられます。

仮に、店員が気をそらされた隙に、店員の意思とは無関係にこっそり持ち去っただけなら、話は別です。

たとえば、店員に対して「トイレで他の客がいたずらをしていますよ」などと申し向け、店員がトイレをチェックしに行った隙に商品を持って逃げる、というような場合、「交付行為」がなく、窃盗罪になります。

店員に話しかけて会計が終わったと誤信させ、その誤信を利用して商品を持ち出させた点が、単なる万引きとの違いといえるでしょう。

●余罪はどうなる?

県警は、同じ手口の被害が数件確認されているとして、余罪があるとみて調べているそうです。今後は防犯カメラの映像の解析や、被害商品の転売履歴の照合などが進み、再逮捕や追起訴がされる可能性もあります。

監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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