俳優の松方弘樹さんが脳リンパ腫のため、1月21日に亡くなった。松方さんは、離婚や再婚などを経て、複数の女性との間に、6人の子どもがいると報じられている。
みとったのは、事実婚の関係にあった元女優の山本万里子さんだとされている。遺産はほとんどない、と報じているメディアもある。
離婚や再婚を経て、最後は事実婚。松方さんに限らず、そういった形で最期を迎える人はいるだろうが、一般論として、事実婚の関係にあった場合、パートナーの相続は、婚姻関係にあった場合と比べて、どんな違いがあるのだろうか。田中真由美弁護士に聞いた。
●内縁の妻は法定相続人になれない
相続の場合、相続人となる「配偶者」は法律上の配偶者であり、内縁の配偶者を含みません。
相続による財産の帰属は取引に関係してくることから、戸籍上明確な基準で区別するべきであるというのが理由です。そのため、内縁の妻は法定相続人になれません。相続では、妻(または夫)の座は最強ということになります。
もし、内縁の妻に財産を残したい場合には、遺言書を作成することをおすすめします。
また、内縁の妻であっても、例外的に内縁の夫の財産を受け取ることができる場合があります。それは、特別縁故者に対する財産分与です(民法958条の3)。ただ、これは他に相続人がいない場合に例外的に認められます。