妹が妊娠したが、相手の親に認知しないと言われたーー。弁護士ドットコムに、このような相談が寄せられています。
相談者の妹は19歳、相手の男性は18歳の社会人です。2人は妊娠を機に結婚することを決め、男性の家族にあいさつに行きました。
しかし、男性の母親は結婚に猛反対。「認知もしない」と言ったそうです。その後も話し合いを重ねましたが、男性の母親は意見を変えることはなく、相談者の妹に「アバズレ」などの暴言を言っていたそうです。
そもそも、未成年者が結婚する場合に、親の承諾は必要なのでしょうか。また、認知することも親の承諾が必要なのでしょうか。染川智子弁護士の解説をお届けします。
●未成年者の結婚には親の同意が必要
ーー未成年者が結婚する場合、親の承諾(同意)は必要なのでしょうか。
必要です。結婚はとても大事なことなので、未成年者だけで決めることはできず、大人(親)の同意が必要とされています。
妹カップルは相思相愛のようで妊娠もしているのに、親の同意がないばかりに結婚ができないとなると、非常に残念ですね。
ただ、親の同意というのは父母いずれかであればよく、父母両方から同意をもらう必要はありません。また、父母が離婚していてどちらかだけが親権者の場合、たとえその親権者の同意を得ることができなくても、もう一方の親の同意を得ることができれば結婚できます。
今回のケースでは、男性の父親が反対していない場合、父親の同意を得て結婚することは可能でしょう。
ーーもし、未成年者が親の同意なく婚姻届を提出した場合はどうなるのでしょうか。
このような場合、役所でいったん受け付けられれば、結婚は無効にならず、取り消しもできません。
婚姻の無効や取消については厳格に法律に定められており、親の同意を欠いたことは無効・取消の事由と定められていないのです。
●認知については、親の許諾や同意は必要なし
ーー結婚と同様に、認知についても親の同意は必要なのでしょうか。
生まれた子の認知については、親の許諾や同意は必要ではありません。ですので、男性は母親の承諾なく認知をすることができます。
妹カップルは、たとえ男性父母の同意が得られず結婚できない場合でも、認知により子を通じて家族になることはできますね。
(弁護士ドットコムライフ)