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女性教諭の旧姓使用訴訟、東京高裁で日大三高と和解「他の職場での先例になる」

女性教諭の旧姓使用訴訟、東京高裁で日大三高と和解「他の職場での先例になる」

日本大学第三高等学校・中学校(東京)に勤める女性教諭が、結婚前の旧姓を「通称」として仕事で使えるよう求めた訴訟の控訴審は3月16日、東京高裁で和解が成立した。税金や社会保険などの手続きを除き、学校側が旧姓の使用を全面的に認める内容。教諭の代理人が17日、発表した。

和解は高裁から勧められたそうで、4月1日の新学期から正式に旧姓を使えるようになる。教諭の代理人を務めた早坂由起子弁護士は、「和解ではあるが、旧姓を使えない職場での先例になる」と意義を説明している。

●一審判決に批判が集まっていた

教諭は2003年から勤務し、2013年に結婚で姓が変わった。教材執筆に携わったこともあり、「教員のキャリアでは一貫した姓を使いたい」として、旧姓の通称使用を求めたが、学校側は戸籍姓しか認めなかった。

夫婦別姓をめぐる別の裁判で、最高裁大法廷は2015年、旧姓使用が「社会的に広まっている」と指摘。旧姓使用が普及すれば、姓が変わることで生じる不利益は緩和しうるなどとして、夫婦同姓は「個人の尊厳と両性の平等」をうたう憲法24条には反しないとした。

一方、2016年10月にあった今回の裁判の一審・東京地裁判決は、旧姓使用が「社会において根付いているとまでは認められない」などとして、教諭の訴えを退けたため、最高裁判決との矛盾を指摘する声があがっていた。

和解を受け、女性教諭は「自分本来の姓が使えるようになり、大変嬉しく思います」「今後も教師という仕事に誇りを持って、子どものため、社会のために力を尽くす所存です」などとするコメントを発表した。

(弁護士ドットコムニュース)

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