ブロガーで作家のはあちゅうさんが3月27日、妊娠を発表しました。今秋にも出産予定とのことで、父親はAV男優のしみけんさんです。2人は事実婚をしていることで知られていますが、入籍していないカップルから生まれた子どもは、法律婚をしているカップルの子どもとは異なる扱いをされます。
では、事実婚のカップルから生まれてくる子どもは、法的にどのような状況に置かれるのでしょうか。実の父親であるしみけんさんとの法的関係は?(監修・濵門俊也弁護士)
●認知しなければ、子と父親は法的には親子関係がない状態
まず、事実婚カップルの子どもは、実の父親であるパートナー男性と当然には法的な親子関係がありません。
法的な親子関係がないということは、子どもに対する扶養義務も生じませんし、男性の財産を相続することもできません。そこで、男性が入籍していないパートナー女性の子どもを自分の子どもであると認める手続きがあらためて必要になります。
その手続きが、「認知」です。出生届を出した後に、男性が役所で認知届を提出すれば、子どもの戸籍の父親欄に男性の名前が記載されます(任意認知)。まだ生まれていない胎児の時でも、認知は可能です(胎児認知)。
そして、男性が子どもを認知すると、子どもに対する扶養義務を負うことになります。ただし、親権は原則的に母親が持つことになります。子どもの姓も母親と同じです。もしも、父親が親権を持ちたい場合や、男性の姓を子どもに名乗らせたい場合は、別の手続きが必要となってきます。
なお、事実婚カップルから生まれた子どもは、法律婚カップルの子どもの「嫡出子」と異なり、「非嫡出子」と呼ばれます。以前は、嫡出子と非嫡出子が受け取れる相続分に差がありましたが、2013年(平成25年)12月に民法が改正され、法定相続分は平等になりました。
ただ、事実婚カップルの場合、法律婚をしているカップルと異なり、パートナーには相続権がありません。また、税制面でさまざまな不利が生じますので、長期に安定した家庭を築く場合に、影響が大きいことがあります。