男性器の包茎手術と亀頭増大手術について、きちんと説明がされていなかったとして、東京都在住の40代男性が、手術をおこなったクリニック経営の医師を相手取り、約244万円の損害賠償を求めていた訴訟は3月27日、東京地裁で和解が成立した。原告代理人がこの日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いて明らかにした。
原告の男性は2014年3月、包茎手術とそれにともなう亀頭増大手術(ヒアルロン酸注入)を受けて、約122万円を支払った。しかし、出血や亀頭部分に凹みが生じたため、2018年2月、包茎手術の合併症に関する説明が十分でなく、亀頭増大の効果(持続期間など)の説明が事実に反していたとして、東京地裁に提訴していた。
和解内容は、被告側が(1)原告に対して、解決金を支払うこと、(2)患者に対して、手術に関する一般的な説明に加えて「ヒアルロン酸の持続に関する当院の説明は、当院の医師のこれまでの医学的な経験にもとづくもので、持続期間を保証するものではない」と説明すること、(3)オプション施術をすすめる場合、費用対効果を吟味できる熟慮期間を設けること――など。解決金額は明らかにされていない。
原告代理人によると、男性は手術を受けたあと、効果の面について疑問に思っていたが、なかなか人に相談することができず、ずっとモヤモヤしたものが残っていたという。この日の和解を受けて、男性は代理人を通じて「モヤモヤがとれて安心した」「今回の裁判が、自分と同じような立場の人に対して、役立ってくれると幸いだ」とコメントした。