「W杯の騒音ほんとうるさい」「日本敗退してくれ、普通に寝られない」。
サッカーW杯期間中、深夜や早朝の試合観戦をめぐる騒音への不満がSNSで注目を集めています。
集合住宅に住むという投稿者は、近隣の男性らが複数人で大声で歓声を上げたり、試合後も朝まで飲み会を続けたりしていると訴えました。
一方で、「4年に1度なんだから我慢すべき」「お祭りみたいなものだろう」と反論する声もあります。
スポーツ観戦の盛り上がりはどこまで許されるのでしょうか。うるさいお隣さんに法的措置を取れるのでしょうか。冨本和男弁護士に聞きました。
●早朝・深夜の騒音は不法行為
──マンションやアパートなどで、深夜・早朝にサッカーW杯を観戦し、大声で歓声を上げたり仲間と騒いだりした場合、法的にはどのような問題が生じ得ますか。また、「4年に1度のイベントだから」「試合中だけだから」といった事情は考慮されるのでしょうか。
法的には、深夜・早朝の騒音が隣人の生活上の利益(居住の静穏)を侵害しているとして民法709条・710条の不法行為に当たる可能性はあります。
ただし、「4年に1度」「試合中だけ」といった事情は考慮されますが、深夜の睡眠を妨げるような大歓声であれば、たとえ一時的であっても「受忍限度」を超えていると判断されるリスクがあります。
過去の裁判例でも、深夜に歌を歌うなどの行為が年に数回程度であっても、隣人の入眠を妨げたとして不法行為が認められた例があります。
●管理会社や管理組合に相談を
──隣住民の騒音に悩まされた場合、住民はどのような対応を取ることができますか。
直接注意するとトラブルに発展する可能性があります。まずは、管理会社や管理組合への相談がよろしいでしょう。
警察に通報して注意してもらうことも有効です。軽犯罪法では、警察官などの注意(制止)をきかずに、人声などを異常に大きく出して近隣に迷惑をかけた場合、拘留や科料の対象になると定められています(1条14号)。
後のトラブルを防ぐためにも、ご自身で騒音の日時や内容を記録しておくことをお勧めします。
また、社会共同生活における受忍限度を超えていると言えるような場合、損害賠償請求も考えられます。