弁護士ドットコム ニュース
  1. 弁護士ドットコム
  2. 犯罪・刑事事件
  3. 人気YouTuber、飲酒運転疑惑に「ドッキリ」釈明で物議 “微アル”や“0.00%未満”なら問題ない?

Googleトップニュースでフォロー

フォローの仕方はこちら
Add as a preferred source on Google
人気YouTuber、飲酒運転疑惑に「ドッキリ」釈明で物議 “微アル”や“0.00%未満”なら問題ない?
画像はイメージです(mits / PIXTA)

人気YouTuber、飲酒運転疑惑に「ドッキリ」釈明で物議 “微アル”や“0.00%未満”なら問題ない?

動画内での飲酒運転疑惑を受け、所属事務所から専属契約を解除されたYouTuber「ばつまる夫婦」が、6月20日に公開した動画で活動の継続を宣言しました。

ばつまる夫婦は、夫のHIROさんと妻のKANAさんが子どもとの生活を紹介するYouTube動画を配信していました。問題となった動画は、6月11日に公開された沖縄県の石垣旅行の様子を紹介する動画で、HIROさんが運転の途中で立ち寄ったレストランでビールを飲んだように思われる編集がされていました。

本人たちは、飲み物はノンアルコールで「ドッキリの演出」だったと説明し、飲酒運転を否定しています。SNSでは「ノンアルコールでも飲酒運転になるのでは?」という声もありましたが、本当にそうなのでしょうか。解説します。

●飲酒運転は「酒気帯び」と「酒酔い」の2つ

ひとくちに「飲酒運転」といっても、法律上は2種類に分かれます。

ひとつは「酒気帯び運転」です。体内のアルコールが一定の基準を超えると成立します。

基準は呼気1リットルあたり0.15mg以上です(道交法65条1項、同117条の2の2第1項3号、罰則は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)。見た目は酔っていなくても、数値が出れば成立します。

もうひとつは「酒酔い運転」です。こちらは数値ではなく、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」かどうかで判断します(117条の2第1項1号、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)。

まっすぐ歩けない、ろれつが回らないといった様子から判断され、酒気帯び運転より重く処罰されます。

どちらも、体内にアルコールがあることが前提です。 なお、以下の記事では、これらをまとめて「飲酒運転」と呼んで説明します。

●本当にアルコール含有量0%なら飲酒運転にはならないが‥

本当にアルコール含有量が0%なら、いくら飲んでも体内からアルコールが検出されることはありません。当然ながら飲酒運転の罪は成立しません。

しかし、酒税法では、アルコール分1度(1%)以上の飲料を「酒類」と定めています(酒税法2条1項)。

アルコール分が1%未満の飲み物は、酒税法上は「お酒」ではありません。たとえば0.9%のアルコールが含まれている商品でも「お酒」にはならないのです。

以前は、こうした「お酒ではないが、アルコールが含まれている」飲料が、ノンアルコール飲料として売られていました。つまり、昔ながらのノンアルコール飲料には、少量のアルコールを含む可能性があります。

1%未満のアルコールであっても、多量に飲んで運転した場合、飲酒運転になりかねません。

●だから生まれた「0.00%」

そこでメーカーが開発したのが、アルコール分0.00%の商品です。

2009年にはビール大手のキリンが、世界で初めて(※キリン発表による)アルコール分0.00%のビールテイスト飲料を発売したとしています。この背景には、飲酒運転による事故をなくしたいという思いがあったそうです。

今では各社が「0.00%」と表示したノンアルコール飲料を販売しています。

この表示が信用できるのであれば、これを大量に飲んでも、飲酒運転は現実的に成立し得ないでしょう。

●「0.00%」は信用していいの?

「0.00%」という表示は、いわば業界の自主的な取り組みで、法律で決められた数字ではありません。

それでも、基本的には信頼してよいと考えられます。

仮に「0.00%」と表示しながら、実際にはアルコールが入っていれば、景品表示法が禁じる「優良誤認表示」にあたるおそれがあるからです(景品表示法5条1号)。

●「微アル」には注意

最近は、アルコール分1%未満の飲料が、「微アル」というジャンルで販売されています。

アルコール分が1%未満なので、酒税法上の「酒類」にはあたりませんが、ゼロでもありません。名前のとおり、わずかにアルコールを含みます。

「微アル」は、飲んで運転すれば、量によっては飲酒運転になる可能性があります。「0.00%」とは別物です。

監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

この記事をシェアする

Googleトップニュースでフォロー

フォローの仕方はこちら
Add as a preferred source on Google

オススメ記事

編集部からのお知らせ

現在、編集部では協力ライターと情報提供を募集しています。詳しくは下記リンクをご確認ください。

協力ライター募集詳細 情報提供はこちら