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日本性科学会セクシュアリティ研究会代表の荒木乳根子さん

中高年夫婦「セックスレス」12年間で倍増「女性がNO!と言えるようになってきた」

中高年の性について考えるシンポジウム(主催:性と健康を考える女性専門家の会)が11月19日、東京都内で開かれた。産婦人科医や臨床心理士らが、中高年の性生活やセックスレスに関するアンケート結果をもとに議論した。

アンケートは産婦人科医などの専門家からなる日本性科学会セクシュアリティ研究会により、2000年、2003年、2012年に実施された。シンポジウムでは、2000年と2012年の調査結果の比較を元に議論が行われた。調査対象は関東圏在住の40歳〜79歳までの男女で、調査票に自筆記入する形式。2000年の調査では、有配偶者(男性419人、女性601人)が回答。2012年の調査では、有配偶者(男性404人、女性459人)、単身者(男性92人、女性207人)が回答した。

「夫婦のセックスの頻度」に関する質問では、「1年間まったくない」「年数回程度」と答えた人の割合が2000年調査に比べて男女ともに増加した。特に40〜50代が顕著で、2000年調査では40代男性が24%、50代男性が32%だったが、2012年調査ではそれぞれ59%、86%と2.5倍以上に増加。女性については、2000年調査では40代が30%、50代が41%だったが、2012年調査ではそれぞれ54%、75%と1.8倍になった。

日本性科学会セクシュアリティ研究会代表で、臨床心理士の荒木乳根子さんは「セックスレスがすごく増えている。全体的に見ると、1年間まったくセックスしていない人は、2000年調査では4人に1人だったが、今回は2人に1人以上になっていた」と語った。

日本性科学会ではセックスレスを〈特殊な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交、およびセクシュアル・コンタクトが1か月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合〉と定義している。

なぜ、夫婦間のセックス頻度が減っているのか? 荒木さんによれば「一番大きな要因だと思うのは、女性が従来よりも『嫌なものは嫌』と強く意思表示するようになったこと。今までは、女性が男性の求めに応じないと『悪い』という考えがあったが、『NO』を言えるようになってきたのではないか」。

 ●夫婦の触れ合いは「肩もみ・指圧・マッサージ」がトップ

「セックスの有無と結婚生活の満足度」に関する質問では、男性は中年(40〜50代)、高年(60〜70代)ともにセックスの頻度が「月1回以上」ある人の7割が、結婚生活に「満足」と回答。一方、「年数回」「1年間まったくない」と答えた人は「満足」の割合が3〜5割だった。

女性はセックスの有無による相違が男性ほど明確ではないが、セックスが「まったくない」と答えた中年の女性の3割程度が結婚生活に「不満足」と回答していた。

荒木さんは「40〜50代の男性の場合、セックスレスは婚外交渉にもつながるのかもしれない」と分析する。「この1年間で配偶者以外の異性との親密な付き合いがあった、と答えた人の割合は、月1回以上(配偶者と)セックスしている人は2割。一方、セックスが全くない人は5割だった。どちらが先行したのかは分からないが、関係があるのではないか」。

また、「よくする身体的触れ合い」について、配偶者がいる女性と、単身女性それぞれに聞いた調査では、配偶者がいる女性は「肩もみ・指圧・マッサージなど」が4割と最も多く、「手をつなぐ」は2割、「キスをする」「抱擁する」は1割にとどまった。一方、単身女性は「手をつなぐ」が6割と最も多く、次いで「身体に触る」「キスをする」が5割、「抱擁する」「肩もみ・指圧・マッサージなど」は4割だった。

荒木さんは「単身者の方は、半分以上がパートナーと手をつないだりキスをしているが、夫婦という関係で子どももいて、お父さん・お母さんとしての役割がある中ではそういうことがしづらくなるのではないか」と述べた。

●「医者を交えて話し合う場をつくることが大切」

第二部のパネルディスカッション「中高年の性を語る」では、中高年夫婦のセックスレスの実態と課題について専門家らが議論を交わした。

性と健康を考える女性専門家の会会長で、産婦人科医の早乙女智子さんが「女性がNOと言うようになったのは大事なことだが、YESと言うことについてはどうなのか」と疑問を投げかけると、荒木さんは「女性が『I want』をどう伝えるかが難しい。伝え方によっては男性が引いてしまうかもしれない、という部分がある」と指摘した。

「身体の触れ合いが日常的にあれば、触れ合いながら『今日どう?』『今日はダメ、また明日』と、相手を傷つけないでコミュニケーションができるが、夫婦の場合はその機会がとても少ない。性に関するコミュニケーションが少ないことで、求めたい時に求めにくい状況ができている」(荒木さん)

また産婦人科医の堀口貞夫さんは、「セックスというと、男性で言えば、挿入して射精することだという考え方がある。しかし、女性は膣ペニス性交まで望んでいない場合もあり、認識のズレが生じているのかもしれない」と述べた。

日本性科学会理事長で婦人科医の大川玲子さんは、夫婦が2人でセックスについて話し合うことの重要性を指摘した。「(EDなどの)性機能不全は医学が解決すればいいが、関係性の問題は一筋縄ではいかない。夫婦間の性欲の解離を埋めることが一番難しい。2人で来院してもらって、医者を交えて話し合う場をつくることが大切」。

ただ、性に悩む人の相談や治療に対応する専門家はそれほど多くはない。早乙女さんによると、日本性科学会が認定したセックスカウンセラーやセラピストは全国で100人にも満たないという。

早乙女さんは、「日本医師会をあげてセクシュアルヘルスに取り組むべき」「(セクシュアルヘルスに関する)調査も少なく、有志で対応しているというのはすごく問題だと思う」と述べていた。

(編集部より)

今回は医学の面からセックスレスについてアプローチしましたが、弁護士に離婚相談に訪れる人の中でも、セックスレスを理由に離婚したいという人は少なくないようです。「セックスレスが原因で離婚した」「セックスを拒否していたらパートナーが不倫した」など、セックスレスにまつわる読者の皆様の体験談をぜひお聞かせください。

https://www.bengo4.com/life/experience/contact/

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