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2018年12月02日 09時00分

「妻とはうまくいっていない」を信じるな 不倫男の常套句、最後に泣くのはあなた

「妻とはうまくいっていない」を信じるな 不倫男の常套句、最後に泣くのはあなた
写真はイメージです(IYO / PIXTA)

男性に言葉巧みに騙されて不倫関係に陥ってしまった…。弁護士ドットコムにはそのような相談が多く寄せられています。どうやら女性たちは、「妻とはうまくいっていない」といった言葉を信じ、相手の夫婦関係は破綻しているのだから、不倫しても問題はないと考えてしまっているようなのです。でも、それは本当なのでしょうか。

いくつか事例を紹介します。

ある女性は、「妻とはうまくいってなく今は離婚調停中で別れる」「君のことが好きで付き合いたい」と言われたそうです。ところが「実際は嘘で別れる気配はなく、奥さんから夫と別れなければ不貞行為で訴えると言われました」と、嘘をついていた男性に対し憤りの声を上げていました。

また、不倫関係にあった2年間の間「離婚するから一緒になろう」「お前しかいない」「嫁とはうまくいってない」と聞かされていたという女性は、別れる・別れないで喧嘩になった際、「嫁とは別れない、お前と別れたい」と言われたといいます。「自分が悪いのもわかってるけど、信じてた分、裏切られ騙された気持ちでいっぱいです」と心境を明かしていました。

さらに、「奥さんともうまくいってなくて」「離婚したい」「話もしている」と話す妻子持ちの男性と付き合っていたという女性は、その男性から突然「家族で住むようになった」と言われ、別れることになったと話していました。

このように、不倫関係に陥る際、「妻とはうまくいっていない」というフレーズが多く使われているようですが、それでも「不貞」になるのでしょうか。妻から慰謝料請求された場合、信じてしまった女性にも過失があると判断され、支払わなくてはいけないのでしょうか。亀田治男弁護士に聞きました。

●「妻とはうまくいっていない」裁判官も信じない「常套句」

ーーどうして信じるのかという声も聞こえてきそうですが、「妻とはうまくいっていない」という言葉を信じて不倫関係になってしまったという相談は、実際によく寄せられています

「既婚男性から『妻とはうまくいっていない』などと、夫婦の関係が破綻していると言われ不貞関係に陥るケースも多いかと思います。

しかし、実際に、夫婦の関係が客観的に破綻している(例えば別居期間が相当期間継続し、夫婦生活の実態がないなど)と言えるのであれば別ですが、そうでなければ慰謝料支払いの責任から逃れられません。

客観的には妻との関係が破綻していないにもかかわらず、破綻しているかのように男性側が嘘をつき、それを信じて不倫関係になってしまった場合であっても、裁判では女性側に少なくとも過失責任が認められ、慰謝料の支払い義務が生じるケースがほとんどです」

ーー証拠はないのかもしれませんが、甘い言葉を心底信じてしまうケースもあるようです。それでも裁判所は「過失があった」と認定するのでしょうか

「既婚男性が不貞行為に及ぶ場合に、妻との関係が破綻しているといった趣旨の言葉で女性を誘うことはいわば常套句とも言えます。

そのため、女性側においてそのような言葉を本当に信じていたとは裁判官が認めない場合や、信じていたとしても軽信したことに過失があるとされ、賠償責任が認定されている裁判例が多いように思われます。

事案によっては『妻とはうまくいっていない』など、夫婦関係が破綻していると聞かされていたとの事情が、慰謝料額を決める際の一事情として考慮されているケースもあります。

しかし、『妻とはうまくいっていない』と言われてそれを鵜吞みにして不貞関係に陥った場合には、夫婦関係が破綻していると思っていたと主張しても慰謝料の支払い義務を免れることはほぼできないと言えるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

亀田 治男弁護士
東京弁護士会会員。一般民事(訴訟案件等)、家事事件(離婚・相続)と企業法務に幅広く携わる。特に訴訟案件を得意とする。2018年1月、渋谷プログレ法律事務所開設

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