2018年10月18日 10時00分

公営ギャンブルは「無申告天国」か 会計検査院の調査報じた記事が波紋

公営ギャンブルは「無申告天国」か 会計検査院の調査報じた記事が波紋
写真はイメージです(nagi / PIXTA)

公営ギャンブルは「無申告天国」なのかーー。そう思わせる記事が10月上旬、ネットをかけめぐった。

読売新聞によると、競馬や競輪といった公営ギャンブルで2015年、国税当局に申告する義務があった高額払戻金計約127億円のうち、大半が確定申告されていなかったことが会計検査院の調査でわかったという。

馬券や車券などの投票券を買ったり払い戻しを受けたりする際に本人確認がされず、読売新聞は「納税義務があっても多くの当選者が申告を怠っている実態が浮かび上がった」と指摘している。

また朝日新聞は、会計検査院が2015年に1000万円以上の一時所得や雑所得を申告した全国の約1万8200件を調べたところ、「公営ギャンブルで1回の払戻金が1050万円以上あった人から申告されたとみられるのは、50数件の20数億円。払戻金約127億円のうち、20数億円を引いた約100億円の大半が申告されていないと推測できる」とした。この問題について、競馬をたしなむ高橋創税理士に聞いた。

●課税漏れを防ぐためには「源泉徴収」が手っ取り早い

ーー無申告者が多そうだということについて、どのように感じますか

「私も競馬を少々たしなむのですが、このデータにはちょっと驚いたとともに『まあそうかもしれないな』という気にはなりました。

払い戻してすぐ納税するのであれば別かもしれませんが、翌年の確定申告時期まで納税資金を取っておくことは普通の人でもなかなか考えないでしょうし、ましてギャンブラーの皆さんですと、次のレースの軍資金になっちゃいますしね」

ーー国税当局の対応が不十分だと思われますか

「本人確認やマイナンバーの提示による把握が進めば、無申告の方を補足することはできるかもしれません。

ですが、その方が確定申告時に納付できるお金がまだ手元にあるかどうかは別問題です。課税漏れを防ぐのであれば払い戻し時に源泉徴収をしてしまうのが『手っ取り早い策』だとは思います。そもそも胴元のJRA(農林水産省所管の特殊法人)が20%〜30%控除している上に源泉徴収まで、となると反発はあるでしょうけれど」

●税を無視すれば、刑事罰も

ーーギャンブルには多く課税されるものなのでしょうか

「ギャンブルなどには目もくれず実直に働いている方からすると、『あぶく銭には重税を!』と思われるかもしれませんが、現状はそうなっていないんです。

というのも、基本的に所得税はギャンブルには優しい仕組みになっています。例えば、競馬の払戻金は年間50万円までは税金かかりませんし、かかるとしても50万円を超えた分の半分が課税対象となります。宝くじの当選金は非課税です」

ーー「無申告」でいることの怖さを教えてください

「競馬の払戻金で無申告と言えば大阪の男性が5年間で35億円の馬券を買い36.6億円の払い戻しを受けたにもかかわらず申告しなかったため、5.7億円の課税漏れを指摘され刑事告発された事件がありました。

税金逃れは金額が大きければ大きいほど追徴も罰金も増えますし、下手したら刑事罰になってしまいます。『儲かったんだから多少の税金は仕方ない』と割り切って申告することをオススメします」

【取材協力税理士】

高橋 創 (たかはし・はじめ)税理士

資格予備校講師(所得税法)、会計事務所勤務を経て、2007年に独立。

事務所名   : 高橋創税理士事務所

事務所URL: http://namahage-tax.jp/

(弁護士ドットコムニュース)

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