連絡はメールよりチャット派…「礼儀2.0」で法的トラブルに巻き込まれた怖い話
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連絡はメールよりチャット派…「礼儀2.0」で法的トラブルに巻き込まれた怖い話

「連絡は電話じゃなくてメールにして欲しい」。SNSで度々議論になるテーマです。

連絡する方からすれば、用件を投げっぱなしのメールは「マナー違反」の気がしてしまいがち。しかし、受け手にとっては、電話だと作業を中断しなくてはなりません。自分の都合で対応できるメールの方が良いというわけです。

最近はさらに進んで、「連絡はチャットにして欲しい」なんて声も耳にするようになりました。メールだと、挨拶などの定型文が必要ですが、チャットはいきなり用件に入れるからだといいます。

こうした「相手に時間を使わせない」という配慮の仕方を、最近のネットでは「礼儀2.0」と呼ぶこともあるようです。相手のために自分の時間を使うことが礼儀という考え方へのアンチテーゼです。

しかし、無駄を省いて「合理化」を進めた結果、法的トラブルに発展した事例もあるのだそうです。チャット偏重によって生まれるトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。

●チャットアプリの削除・編集問題

チャットのやり取りも、メールのように証拠として使えます。ただし、設定などによっては、あとから投稿を改変・削除できる点に注意が必要です。つまり、チャットは文書のやりとりであるにもかかわらず、「言った・言わない」という問題が出てきてしまうのです。

アプリによっては、グループのオーナーが他人の投稿を自由に削除できるものもあります。もしも発言の一部や、やり取り一切を削除されてしまった場合、後日、証拠を出せないことになりかねません。

「IT業界で、チャットの指示に基づいて開発・納品したのに『発注通りに納品されていないから、代金を払えない』などと言われ、代金を払ってもらえなかったというトラブルは複数聞きます。

特に、仕様変更の指示や同意、受入テストの報告などがチャットでなされているときに、チャットを消されてしまうと、証拠がなくなってしまいます」(都内のある弁護士)

また、投稿後にメッセージの編集(修正)ができるタイプのアプリもあります。修正されると、やり取りの意味が変わってしまうことがあります。

トラブルに発展すれば、相手方はチャットのキャプチャーを証拠として出してきます。仮に「修正あり」のマークがついていたとしても、元の内容が見られない場合、「改ざん」前のチャットの内容を立証するのは大変です。

口頭の「言った・言わない」とは違って、チャットの場合はなまじ「証拠」があるだけに、厄介な問題となります。

●権限のチェックやチャットのキャプチャーが大事

前出の弁護士は次のように警鐘を鳴らします。

「社外の人とチャットでやり取りする際は、編集や削除の権限を確認しておきましょう。設定次第で、トラブルをある程度は防ぐことができます。また、普段からチャットの内容をキャプチャーしたり、ログを定期的に保存したりしておくことも有効です。

トラブルに発展しそうな場合は、事前にチャットのログやキャプチャーを保存しておくことをお勧めします」

そもそも重要な内容については、あえてメールを使うなどの工夫も大切になりそうです。

(弁護士ドットコムニュース)

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