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「ニュース女子」問題、2審もDHCテレビに賠償命令 辛淑玉さんに対する「名誉毀損」
辛淑玉さん(2022年6月3日/弁護士ドットコム撮影)

「ニュース女子」問題、2審もDHCテレビに賠償命令 辛淑玉さんに対する「名誉毀損」

沖縄の米軍基地反対運動をとりあげた番組「ニュース女子」(東京MX)で、名誉を傷つけられたとして、市民団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉(シン・スゴ)さんが、番組の制作会社「DHCテレビジョン」などを相手取り、損害賠償1100万円などを求めた訴訟の控訴審判決が6月3日、東京高裁であった。

渡部勇次裁判長は、DHCテレビジョンに550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた1審・東京地裁判決を支持して、双方の控訴を棄却する判決を言い渡した。

辛さんはまた、番組の司会だった長谷川幸洋さんも訴えていたが、番組の収録時点で出演者がどのような発言をするかを具体的に把握していなかったなどとして、東京高裁はこちらについても1審に続いて棄却した。

●原告側「人種差別であることを認めてくれた」

DHCテレビジョンは化粧品大手DHCの子会社で、TOKYO MXで放送されていた「ニュース女子」を制作していた。

2017年1月2日と1月9日にTOKYO MXで放送された回で、沖縄の米軍基地反対運動をとりあげた。この中で、基地反対派が警察などに対して暴力や犯罪行為などをしており、辛さんが経済的に支援しているなどとした。

東京高裁は「原告(辛さん)が、豊富な資金力を背景にして地元の沖縄以外から参加者を組織的に雇って動員し、反対運動を扇動しているとは認められない」「本件全証拠をみても、本件摘示事実(番組内容)の重要な部分の真実性が証明されているとは認め難い」として、辛さんに対する名誉毀損が成立するとした。

また、今回の判決には、「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗中傷を招きかねない構成になっていること」という一文も加えられた。

この点について、辛さんの代理人をつとめた金竜介弁護士は判決後の記者会見で「控えめな表現だが、辛さんが在日朝鮮人であるという属性をとらえて、その番組を作った結果として、誹謗中傷を招きかねないと踏み込んでくれた。1審判決ではそこまで踏み込んでくれていなかった。人種差別であることを認めてくれた」と評価した。

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