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PS5抱えてダッシュ、防犯カメラがとらえた「万引きの瞬間」 ゲーム店に聞く
防犯カメラがとらえた万引きの瞬間(MEIKOYA提供/弁護士ドットコムが一部加工)

PS5抱えてダッシュ、防犯カメラがとらえた「万引きの瞬間」 ゲーム店に聞く

「13年お店をやってきましたが、こんなことは初めてです」

そう話すのは、名古屋市でゲーム店「MEIKOYA」を経営する会社代表、三浦崇司さん。5月31日午後4時50分ごろ、店内にいた男性が陳列していたゲーム機「プレイステーション5」(PS5)の箱を抱えて、突然外へと走って逃げた。三浦さんやスタッフが目を離した一瞬の隙をついた犯行だった。

防犯カメラには、白っぽいシャツに黒いズボンをはいた若い男性が、あたりの様子をうかがいながら、PS5の箱を両腕に抱えている姿が映っていた。緊張した表情まで明瞭に確認できる。

三浦さんは、この画像を顔を隠した状態でツイッターに公開したうえで、「1週間以内にお返し下さい。お返しいただけない場合は警察に相談させていただきます」と投稿したところ、1日で3万8000RTを超えた。

反響に驚く三浦さんに「万引きの瞬間」とツイートの理由を聞いた。

●小売店は万引きの被害を受けているが…

「私はカウンターで電話のお客様に対応をしていまして、店内には別のスタッフがいました」

弁護士ドットコムニュース編集部の取材に対して、当時の様子を説明する三浦さん。犯行は、別のスタッフがその場から離れた一瞬の隙におこなわれたという。

「ずっと店内に人がいることはわかっていたのですが…。スタッフが戻ってきたときには、もうPS5の箱がありませんでした。これまで、何度も万引き犯は捕まえてきましたが、今回のようなケースは初めてで、うまく言葉が出てきません」

商品がないことに気づいた三浦さんが防犯カメラを確認したところ、冒頭のような万引きの瞬間が映っていた。

三浦さんはすぐ警察に通報したが、まだ開店中だったため、被害届は後から提出できると確認したうえで、ツイッターで犯人に向けて盗んだものを返すよう、訴えかけた。

すると、あっという間に拡散して、大きな反響を呼んだ。

三浦さんは「ツイートすれば犯人に届いて、商品を返しにくるのではないかと思いましたが、予想を超える広がりで、驚いています」と話す。

「全国の小売店が万引きの被害を受けています。でも、警察に被害届を出さないケースも多いです。被害届を出しても、犯人が捕まったり、商品が戻ってくることはほとんどありません」

事情聴取にも時間がかかり、小売店にとってその負担は少なくない。

「うちでもこれまで万引きされると、閉店後に警察に行き、被害届を出しましたが、帰りはもう午前2時、3時になりました」

三浦さんのツイートには、同情とともに、憤りの声も多く寄せられた。

「万引き犯が反省して、商品が戻ってくるのがベストです」という三浦さん。犯人が店に戻ってくるのを待っている。

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