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ファスト映画「無断投稿」で初の有罪判決 専門家「抑止事例になる」
仙台地裁(Googleストリートビューより)

ファスト映画「無断投稿」で初の有罪判決 専門家「抑止事例になる」

映画を10分程度にまとめた「ファスト映画」を無断で動画サイトに公開したとして、3人が著作権法違反の罪に問われた訴訟で、仙台地裁は11月16日、主導したとされる男性に懲役2年・罰金200万円・執行猶予4年の有罪判決を下した。

ほかの2人にもそれぞれ、懲役1年6カ月・罰金100万円・執行猶予3年、懲役1年6カ月・罰金50万円・執行猶予3年を言い渡した。「ファスト映画」の投稿が著作権侵害であると判断した全国初の判決とみられる。

映画を編集して、日本語の字幕やナレーションをつけた動画「ファスト映画」は、動画サイトで人気になっているが、本編を見なくて良いくらいの「ネタバレ」になっていたり、著作権者に無断でおこなわれていることから、問題視されていた。

●「悪質性や社会問題となった背景も反映した判決だ」

今回の摘発に協力した中島博之弁護士は、この日の判決を受けて、弁護士ドットコムニュースの取材に次のようにコメントした。

「本日、ファスト映画投稿が著作権侵害であると日本で初めて判断された判決が出ました。

初犯の著作権侵害事件の相場が罰金30万円前後と言われておりますが、今回、執行猶予付きとはいえ、主犯には懲役2年・罰金200万円の判決が下りましたので、ファスト映画事件の悪質性や社会問題となった背景も反映した判決なのだと思います。

初公判では営利目的で組織的にファスト映画投稿をおこなっている背景も明らかとなりました。また、被告人らは、権利侵害主張をしてきそうな映画会社を避けて投稿作品を選定しておりました。

このように、著作権侵害に対応をしないことは侵害犯に目をつけられ、被害が拡大する契機となってしまいます。

その意味でも著作権侵害にしっかりと法的に対応することが抑止事例となり、将来の被害予防にもなると思いますので、今後も、コンテンツ海外流通促進機構(CODA)など権利者団体と協力し、悪質な著作権侵害には毅然と対応をしていきたいと思います」

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