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「もし落下したら…」高速道路で後部ドアから身を乗り出し撮影、事故が起きたら責任は?
Xの投稿より( https://x.com/tiiiiiipuuuu/status/2013117755172815129?s=20 )

「もし落下したら…」高速道路で後部ドアから身を乗り出し撮影、事故が起きたら責任は?

高速道路を走行中の車が、車体後部のドアを開けたまま走り、同乗している男性が身を乗り出して撮影しているとみられる動画がXに投稿され、危険だと指摘する声が相次いでいる。

●もし落下してひいてしまったら・・・

投稿によると、関越自動車道で1月15日、走行中の自動車の後部から男性が身を乗り出すようにして撮影している様子を目撃したという。動画には、車線をまたいで走り続ける場面も映っており、危険な運転状況がうかがえる。

投稿者は「もし撮影している人が落下してひいてしまったら、どうするのでしょうか」と懸念を示し、「本当に危ないので、迷惑をかけない方法で撮影してほしい」とうったえている。

車体後部のドアを開けたまま走行する行為には、どのような危険があり、万が一事故が起きた場合、運転者や撮影者にはどのような責任が問われる可能性があるのだろうか。本間久雄弁護士に聞いた。

●道交法71条4号に違反する可能性

──高速道路で、車体後部のドアを開けたまま走行する行為は、道路交通法上、どのような問題がありますか。

道路交通法71条は、運転者の遵守事項を定めています。このうち同条4号は、次のように規定されています。

「乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行う等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している物の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること」

つまり、車体後部のドアを開けたまま走行する行為は、この規定に違反するおそれがあります。

さらに、動画では、自動車の後部から男性が身を乗り出して撮影しており、シートベルトを着用していないように見えます。

道交法71条の3第2項では、「自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置(当該乗車装置につき座席ベルトを備えなければならないこととされているものに限る)に乗車させて自動車を運転してはならない」と定めています。

後部座席の乗員がシートベルトをつけないまま走行した場合も、この規定に違反する可能性があります。

●運転者の責任はどうなる?

──今回のようなケースでは、運転者も何らかの法的責任が問われる可能性がありますか。

先ほど述べたように、道路交通法71条4号(転落等防止措置義務違反)に該当した場合は、5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

なお、道交法71条の3第2項(座席ベルト装着義務違反)については、罰金刑の規定はありません。

ただし、行政上のペナルティとして、転落等防止措置義務違反の場合、違反点数1点、反則金が6000円(普通車)が科されます。座席ベルト着用義務違反についても、違反点数は1点となります(反則金はありません)。

さらに、ドアを開けたまま漫然と走行し、その結果、同乗者が車外に転落して死傷した場合には、運転者が「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に基づく過失運転致死傷罪に問われる可能性もあります。

●もしも後続車が転落した撮影者に衝突したら?

──投稿者が懸念するように、危険な撮影行為をしている人物が車外に落下し、後続車が避けきれず衝突してしまった場合、後続車の運転者にも法的責任が問われる可能性はあるのでしょうか。

道路に落下した撮影者に後続車が衝突した場合、後続車の運転者も、過失運転致死傷罪に問われる可能性はあります。

ただし、過失の有無は一律に判断されるものではなく、「結果を予見できたか」「結果を回避できたか」といった観点から吟味されることになります。

具体的には、運転手がどれくらいのスピードを出していたか、十分な車間距離を取っていたか、撮影者がどれだけ危険な行動を取っていたかなど、さまざまな事情を総合的に考慮したうえで、過失を問えるかどうかが判断されることになります。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

本間 久雄
本間 久雄(ほんま ひさお)弁護士 横浜関内法律事務所
平成20年弁護士登録。東京大学法学部卒業・慶應義塾大学法科大学院卒業。宗教法人及び僧侶・寺族関係者に関する事件を多数取り扱う。著書に「弁護士実務に効く 判例にみる宗教法人の法律問題」(第一法規)などがある。

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