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第二次夫婦別姓訴訟、10月2日に地裁判決 原告側「最高裁判決後、夫婦別姓求める声高まった」
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第二次夫婦別姓訴訟、10月2日に地裁判決 原告側「最高裁判決後、夫婦別姓求める声高まった」

夫婦別姓の婚姻届が受理されず、法律婚ができないのは違憲だとして、東京都世田谷区在住の大学教員の事実婚夫婦と東京都在住の事実婚夫婦の妻の3人が、国を相手に損害賠償を求めている第二次夫婦別姓訴訟が6月10日、東京地裁(大嶋洋志裁判長)で結審した。判決は10月2日に言い渡される。

この訴訟は、2015年に最高裁まで争った夫婦別姓訴訟判決を受け、選択的夫婦別姓を求めて新たな争点で提訴されたもの。2018年5月に、夫婦同姓を義務付けた民法750条は、同姓を希望する者と別姓を希望する者を差別し、結婚の可否を生じさせているなどとして、世田谷区在住の事実婚夫婦が提訴。この他、東京地裁立川支部、広島地裁でも提訴、裁判が行われている。

訴えに対し、国側は2015年の最高裁判決から現在にいたるまで、事情変更はないとして全面的に争う姿勢を示している。

●「青野氏の夫婦別姓訴訟の判決後、さらに世論が強くなった」

この日の弁論で原告弁護団は、住民票とマイナンバーへの旧姓併記が11月から可能になることや、外務省がパスポートの旧姓併記を検討していることなど、最新の動向を指摘。昨年から今年にかけ、多くの地方自治体で夫婦別姓を求める意見書などが相次いで採択されていることから、法制度化が明確に求められているとした。これまでの口頭弁論での主張と合わせ、あらためて最高裁判例を変更すべき事情はあるとして、国の主張に反論した。

また、2015年最高裁判決が大きな批判を浴びて、2019年の複数の夫婦別姓訴訟の提訴につながったと指摘。「このうち、サイボウズ社長、青野慶久氏らが原告となった夫婦別姓に関する裁判において本年3月に請求棄却判決が言い渡されると(東京地判平成31年3月25日)、これに反発し、ますます選択的夫婦別姓を求める世論が強くなりました」と説明。

「裁判所におかれては、このような社会の動向や国民の意識の変化を直視していただき、民法750条及び戸籍法74条1項を憲法違反とし、国の立法不作為を違法とする判決を下されるよう、強く求める次第です」とあらためて主張した。

原告の弁護団は結審後、「できるだけの主張はしました。勝つしかないです」と判決に向けて意気込みを語った。

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