フリマアプリ「メルカリ」で、一見すると子どもが描いた落書きのようなイラストが、1点あたり数千円で取引されている──。
そんな不可解な現象がSNSで報告され、「なにかの違法取り引きではないか」と物議を醸している。
Xに投稿された出品画面の画像には、イラストそのものとは無関係に見える不可解な「番号」や「隠語」のような文言が記されていた。
弁護士ドットコムニュースが確認したところ、実際にプロフィール欄に同様の記載をしている出品アカウントも見つかった。
単なる高額な素人イラストなのか、それとも別の取引を装ったものなのか。運営会社は、こうした不審な動きを把握しているのだろうか。メルカリに取材を申し込んだ。
●「◯◯様専用」特定の相手との取引か
Xに投稿された画像からは、紙に動物や人気キャラクターに似たイラストが描かれた作品が、1枚あたり3900円から7700円で出品され、すでに購入済みとなっている様子が確認できる。
注目されているのは価格だけではない。商品名や説明欄には「◯◯様専用」と記され、特定の相手に向けた取引であるかのような形式がとられていた。
メルカリには、ある商品を買いたい人が出品者に「取り置き」を依頼する方法があり、今回の疑惑の出品はこの方法を使っているとみられる。
こうした点から、SNS上では「薬物の密売ではないか」「イラストはカモフラージュで、実際には別の物を売っているのではないか」といった憶測が飛び交っている。
●メルカリ「商品の詳細が不明な取引は禁止」
弁護士ドットコムニュースはメルカリに対して、こうした疑惑の出品を把握しているか、また「隠語」などを用いた違法な取引にどのように対応しているのかを質問した。
同社は、特定のユーザーや個別の出品への対応状況については言及を避けつつ、次のように回答した。
「メルカリでは、購入者が商品の内容を正しく理解し、納得して購入できるよう、商品の詳細がわからない取引や商品情報を偽って行う取引を禁止しております」
●商品情報を偽装すれば利用制限の可能性も
メルカリが2026年1月9日に公開した「【ご注意ください】商品情報を偽装した出品および取引の禁止について」と題するリリースでは、次のような行為が違反になると明示されている。
・商品の詳細がわからない取引(商品名や説明文に具体的な内容の記載がない、画像が不明瞭など) ・商品情報を偽装している取引(実際の商品とは異なる画像や情報を用いて出品を行うこと) ・その他、事務局が不適切と判断したもの
同社は「商品情報を偽装し、禁止出品物を出品するなどの行為を確認した場合は、商品削除・取引キャンセル・利用制限などの措置を講じます」と注意を呼びかけている。
●疑惑の出品→禁止行為と判断
今回話題となっているケースが、仮に「イラスト」と称して違法薬物や別の物品を購入者に送付していたとすれば、メルカリの規約上、利用制限などの対象となるとみられる。
メルカリは今回の回答の中で、出品禁止物に該当するかを判断する基準として「マーケットプレイスの基本原則」を定めていると説明。
そのうえで「今後もさまざまなステークホルダーとの対話・連携を強化し、お客さまに適切な情報を提供していくことで、誰もが安心安全に利用できるマーケットプレイスを目指してまいります」とコメントした。
「50000パフ50Kを、確実に正規品のみ販売」。メルカリのある利用者のプロフィール欄には謎の数字や意味がよくわからない言葉が並んでいた(1月15日時点では「停止中のアカウント」になっている)
メルカリによると、1月8日に今回の疑惑の出品について把握し、同社が禁止している「商品の詳細がわからない取引」に該当すると判断し、商品の削除や取り引きキャンセルなどの対応をとったという。
<編集部注>記事の一部を修正しました(2026年1月19日)