ジャーナリストの伊藤詩織さんは、自身の性被害を取り上げたドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』で一部映像や音声を許諾のないまま使用した問題について、公式ホームページにタクシー運転手とその家族に対する謝罪文を掲載した。
この問題をめぐって、今年2月に外国特派員協会で記者会見した伊藤さんの元代理人弁護士側は、伊藤さんとの間で問題は現在も「全く解決していない」とした。
●タクシー運転手に謝罪受け入れてもらったが、元代理人との間では「解決してない」
10月25日付の謝罪文で、伊藤さんは、承諾なく運転手の映像を撮影し、その後、連絡を取れないまま、映画に使用したことに「この判断は間違いであり」とし、「協議中も使用を続けたことについても謝罪いたします」とした。
なお、運転手は伊藤さんの謝罪を受け入れたとして「このたびの謝罪を寛大に受け入れてくださり、新しいバージョンの使用をお許しいただいた」としている。
映画をめぐっては、タクシー運転手の映像だけでなく、捜査官や元代理人弁護士の映像や音声、現場となったホテルの防犯カメラの映像などの使用承諾について、性被害訴訟を支えた元代理人の西広陽子弁護士は問題があると指摘していた。
今回公表された謝罪文などでは、これらの点に触れられていなかった。西広弁護士の代理人は10月27日、弁護士ドットコムニュースの取材に「全く解決しておりません」と回答した。(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)